2009-01-01から1年間の記事一覧

閑人耄語抄No.30

No.30 雲晴れて 全界白銀 鳰の海 〔自註〕 鳰(にお)は、カイツブリのこと、におのうみとは、淡水 琵琶湖を指す。12月19日近江八幡をマイカーで出立し、北陸道を北上した。ノーマルタイヤを履きチェーンを持たずに、直前の火曜日に京都まで行った帰りで…

2010の年賀状 from Double Stone-river-side

COP15成立せず。ちびテッペン禿げ会議?は、京都6を越えられなかった。今日の世界で新しい事を成すは困難事だ。 環境問題は、指先から宇宙にまで及ぶ人類由来の課題である。ヒト以外の生きとし生けるものは被害のみあって加害責任は無い。環境諸悪の根源は…

閑人耄語抄No.29

No.29 鷲が巣の 峰を分け降る さかさ霧 〔自註〕 鷲が巣山は国道7号線から何度も見ているが、逆さ霧と絡む山容を、今年になって始めて眺めてから、求めて地元の人に尋ね名前を知った。 今年は、逆白波(=さかしらなみ)の最上川に度々通った。北上する時は…

閑人耄語抄No.28

No.28 まず蟹が 次いで猿出る 若狭寺 〔自註〕 この秋のはじめ頃、秋田県は角館を訪ねた。彼の地に生まれ、間もなく消えてしまった場違いの描法絵画に因んで開催された「秋田蘭画とその周辺展」・・・小田野直武生誕260年・・・を見に行った。狭い町の…

閑人耄語抄No.27

No.27 もない盆 はぬいの裾に 秋迫る 〔自註〕 もない盆とは、ここでは西馬音内(=にしもないと読む)の盆踊りを示したつもりである。五音におさめる必要から、尻でなく頭の方を切り落したもので、沈痛の限りだが已むをえない。秋田県は内陸南にある湯沢市…

じじぃばくだんNo.3<爺ぃ獏談>

じじぃばくだんNo.3<爺ぃ獏談> 2009.11.01 10月17日の新聞経済面に、とても小さい扱いの記事を見つけた。 ハイブリッド車にエンジン類似音を義務化するのだそうだ。バカな、、、、。 この国では、メディアが、オピニオン・リーダーであり、我ら民衆は…

閑人耄語抄No.26

No.26 柿ひとつ 色づく里に 望の月 〔自註〕 10月3日は、中秋の名月だと言う。この日は幸いに晴れて、西空の夕雲はかなり複雑に面白く暴れ、薄雲を貫ぬくあかね色の光線が、夕陽の所在を示す。これは家路へ向う道すがらの景色であるが、振向けば、そこに…

閑人耄語抄No.25

器械ナヴィ カアちゃんゲーターで よく走る 【自註】 朱鷺めき国民体育大会の応援で、新潟県刈羽郡刈羽村に2日ほど滞在した。座標軸不案内の場所に行く、そしてまた還る。そのような言い方を書込むことは、占領下で60年以上も生きていることの、ある意味人…

閑人耄語抄−24

No.24 有明に ウグイス啼くも 峰の原 〔自註〕 前宵、菅平湖の周回道路で運良く、満月を一瞬垣間見た後、その夜は、菅平高原の中で夜を過ごした。 ありていに言えば、野宿である。高原の朝は、何とも爽快である。言葉で表現できるものは少ない。 早朝から、…

閑人耄語抄−23

No.23 うす雲の 菅平湖の 雪月花 〔自註〕 予期せぬ出逢いがあるから人生は良い。浅間サンラインなる脇往還がある。国道18号と併走する、と言うより、その部分しか走ったことが無い。序でだから少し説明しておく、18号は佐久市から長野市の南端まで、信濃川…

じじぃばくだん<爺ぃ獏談> No.2

じじぃばくだん<爺ぃ獏談> No.2 ・・・09'.09.06 世間は、この1週間の間、総選挙での与野党逆転、消費者庁の発足などのあれこれで、騒がしく推移した。その間に、東名高速は復旧したらしい。この国では新しい情報が、これでもかこれでもかとメディアから…

閑人耄語抄−21ならびに22

No.21 轟が また戻るとは 稲実る 〔自註〕 この2、3日は暑い。気温はピークを過ぎたが、むし暑いのには参る。 陽の入りは、眼に見えて早まるばかりだ。晴れの日は、勤めて外歩きしないと、夕暮れまでの良い時を味わう日々は、もう少ないのだ。 でも、さすが…

じじぃばくだん<爺ぃ獏談>

じじぃばくだん ・・・ プロローグ <爺ぃ獏談> ’09.8.29 今日から新しいコーナーを始めることとした。新しいコーナーの立上げにあたり、コーナーで展開する内容とタイトルについて、動機の一端を表明しておきたい。 内容は、主に時事問題だが、情報入手の…

閑人耄語抄−20

No.20 旅ゆけば とにかく道路と 墓ばかり 〔自註〕 旅とは、時代によって大きく変る。それはスタイルだけを言っているわけではない。 筆者の60年を振返るだけでも、徒歩から始まり、乗合自動車に乗っての親族訪問、それから鉄道列車での修学旅行、自転車…

閑人耄語抄−18ならびに19

No.18 ホワイトも カラードのうちと われ想う 〔自註〕 白は、無色なのか? 無色は色でないのか?それとも色の一種なのか?コトバの遊びをするつもりは毛頭無いが、よく交通整理できそうにない。 さて、7月も半ば過ぎの今週は、USAの大統領交替から半年が経…

閑人耄語抄−17

No.17 家々の 間に見ゆる 麦は秋 〔自註〕 これは5月に北陸本線から上越新幹線と乗継ぎした際の、行き帰りの車窓風景である。 テッチャンの旅は、分社によるサービス後退を憤らない、目的地での行動性の格段の劣化にめげない、などなどの超人的な?アナクロ…

閑人耄語抄−16

No. 16 荒れ野ゆく プラチナプリンス しらん咲く 〔自註〕 花の好きずきは、特にないつもりである。 だがしかし、時にアレルギーを招くものがある。満座の中で、筆者だけがクシャミ連発の専売人となり、始めは笑われて、遂には呆れられる。他人の胸中を推し…

閑人耄語抄−14

No.14 華かたち 奇抜なるかな カキツバタ 〔自註〕のっけから、申し訳ないが、予めお断りをしたい。 カキツバタ、あやめ、花菖蒲などなど、、、花の姿を見て、言い当てる自信が全く無い。残念ながら幼少からそうである。 更に昨今は、商業航空がグローバルに…

閑人耄語抄−13

No.13 ぼっとりが 匂いて 実り 豊かなり 〔自註〕 過ぎし日、白川郷を訪ねた。その時の風景を思いだしつつ、創った1句である。 格別の説明は、不要と思うが、現代は、拙速と掴銭とに邁進する風潮から、色好みは、いたって少ない。そこで、あえて、かつての産…

閑人耄語抄−11ならびに12

No.11 フジ未だ くりから峠 キリ咲いて 〔自註〕 この月の半ば、関東からの帰りに、列車の窓から見た風景である。たまたま眼を車外にやった時、倶利伽羅峠を通過していた。フジの花だろうと頭の中は言っているが、眼から来た情報と照合できなかったせいか、…

閑人耄語抄−10

No.10 ひゃっきんや アンフェア・トレード ジャングルしょう 〔自註〕 思いつきをそのままに、熱いうちに吐出す。詩とは、そのようなものだろうか?腫れ物のように、時も所も弁えない。人とは、そんな存在だと、、、 前置が長いのが自註らしいか?? ひゃっ…

閑人耄語抄−8ならびに9

No.8 古代染め 匂いゆかしき フジの花 〔自註〕 フジの花が咲いている。目立たない花色だが、思わぬ高さに纏まって咲く花群を、時に山路を歩いていて、ふと気がつくことがある。 公園や神社でも見かける花だが、蔓で伸びる性格の木だからか、中心には無い。…

閑人耄語抄−5乃至7

この日をもって、月が変わる。 旧暦で生活すべしとの提案もあるそうだが、太陽暦を採用して150年近く経つからか、五月の声を待つように、見渡す限り、田植えの準備が整う。 だが、そうでないとする説もまたある。 兼業農家は、祝日の集中するこの時期に済…

閑人耄語抄−3ならびに4

4月。この地の桜は、耳からのメディア情報によれば、9日に満開となったそうだ。前月の末頃から家の周りで開花していたのだが、この国では公式発表云々が則ち権威ある?唯一の信ずべき?情報とされるそうだから、発言する時には、観察と伝聞とソースの差が伝…

閑人耄語抄−2

陽気はだいぶ春めいて来たが、風はまだ老体に厳しい。借家住いは、何かと帯に襷なので、ニュウヨウクは、近所の温泉めぐりをもって、これに替えることが、近頃ならいになっている。 のみしらみ 温泉マスクを 言われウマ (自註) 句の意味は、こうだ。馬の骨…

メゲーヌこく訪滞記より−10

第10話 オラは、この時期、人と会わない。努力してでもなく、おのずから、このメゲーヌ国の、生き方に、なじんで来たからだろう。 だが、今年は、オバマが、活躍している。不況でピンチなので、ハネムーンが無いのだそうだ。 とまあ、色々と、オラの、ネホ…

閑人耄語抄−1

去る2月17日、北陸の海沿いは、朝起てみて、驚く程の雪であった。 花粉症 くっさめオトコが 雪もかき (自註) 花粉症の本命は、スギ花粉らしい。この30年、この国では、メディア歳時記の定番と、言って良さそうだが、それ以前は、存在しなかった疾病な…

メゲーヌこく訪滞記より

第9話 オラは、グ-リキがいつまで、自宅待機状態で居るのか、少し心配である。 それに最近、グーリキの顔を見る事が、少ないので、気になっていた。 ベートを市場で、見かけた。 ベート宣わく 「うん、顔は見てないが、元気でいるとの、噂は届いてますよ。 …

メゲーヌこく訪滞記より

第8話 オラは、ネホン州に来て、もう長い。 その数あるクニの中で、メゲーヌこくが、最も長くなりつつある。それは何故かと、よく聞かれるが、「自分でもよく判らないから、答えようがない」と言いつつ、盛んにクビを振り回す。おおむねこれで良し。 とこん…

メゲーヌこく訪滞記より

第7話 ベート登場する。「オラ、何しとうど? おみしゃらしぐもねえ」 ・・・ 「オラは、キャラバンを見たド」 ベート曰く、「返事こぐでねえ。そりゃ、変事ずらけ」 オラ 「んでねえ。映画だば、撮影隊の、、、」 「あちゃあ、おみゃあ、上田さ、行ったな…