2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

泉流No.68 信濃の空

* シナのなる さなだの空に 雲踊る 〔駄足〕 シナの木は、信濃人の話を聞いて、暫らくの間、あちこちを訪ね歩いた。 とかく、都会から地域にポッと出て来た?俄か田舎住い人は、真に受けるのか、それとも私が間抜けなのか、その両方なのか?それなりに時間…

泉流No.67 佐渡燃ゆ

* 島ひとつ 燃やしつくした あかね空 〔駄足〕日本海沿いに新潟へ向って、マイカーを走らせていたある夕べ。あまりに落日が豪快であった。 松林越しに砂浜が見えたので、暫し車を止め。見事な夕陽を眺めていた。 日本海は、やはり夕暮れである。 海も広いが…

泉流No.66 新潟港

* ふる雪や ふな江ふる町 ふりにけり 〔駄足〕 もう4半世紀にもなろうとする1988年の作、当時の勤務地が新潟市であった。 ふる雪は、降る。ふな江は、船江。ふる町は、古町。ふりにけりは、降ると古るの両義である。 17音のうちに、「ふ・音」が4つ。4分の…

泉流No.65 キラウエア

* あめつちの はじまりみたり きらうえあ 〔駄足〕 これは2000年に、過ぎた年に行ったハワイ旅行を回想して作ったものだ。 あめつちは、漢字で書くと、天地である。表意文字の方は,説明が要らない点は便利だが、韻文向きでないようだ。 マウナロア山の火口…

泉流No.64 あいて!

* ロウ・すろう 気概悠々 ほう・トロウ 〔駄足〕 この句は2003年に出来ている。そして、何とIT問題を踏まえている。しかも、ITは、筆者にとって「ウ」尽し「ウ」だらけなのである。 言葉の数にして17分の6、つまり35.3%も「ウ」が占める、否、言外にある『…

泉流No.63 鳥海山

* 海かけて まだら牛臥す ふくら越え 〔駄足〕 我が故郷の山は、鳥海山である。 造山期の溶岩流の端が、日本海の中にまで及ぶくらい、山体は海の際に立つ独立峰である。 その溶岩が形成した鞍部地形の丘の連なりが、秋田・山形の県境である。 その昔と異な…

2012年頭のことば

2012年の始まりは、世界でも最も短い詩の形である「泉流=せんりゅう」で、表したいと思います。 * No.62 朝びらき 一胞帯水 繋ぐ海 〔駄足〕朝びらきとは、夜があけること 一胞帯水<いちいたいすい>とは、ここではユーラシア大陸の東にある海を示します…