2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

サイト君 第68話

今週、この暗澹たる被災・悲惨な状況下で、少しばかり涼風を思わせる報道があった。 スーパーコンピュータの開発で、数年振りに世界トップの座を奪回したと言う。それが持つ意味や現場の苦心など,全くの門外漢なのでコメントしない。 メディアも絡めて報道…

サイト君 第67話

このシリーズは、先般の大地震津波が起る2日前に始まった。偶然だが、サイト君の故国の国名であるサンクは沈没したと言う意味でもある。 その空前規模の被害に関して,サイト君はどんな感想を持っているか聞いてみた。 早いもので、もう3ヶ月経過したが、余…

泉流No.35 雨

* 雨が降る 胸にも眼にも 見える雨 〔駄足〕暑い、蒸暑い。家の中に居ても、外にいても、心のどこかに。そして薄眼を開けてみる、もう・まだ・やっぱり雨が降っている。 ヴェジタブル・ガーデナーをやっていると、生命の仕組にいつも向き合う日常だ。 人間…

泉流No.34 ススキ

* これまでも 行く先々も ススキ原 〔駄足〕今日心に浮かんだ風景を、そのまま句として詠んだ。きっと季節に合わないだろうが、泉流は俳句ではないから、季語云々は囚われない。 故郷<くに>から、クラス会を催す案内状が届いた。例年今頃の開催は、いかに…

サイト君 第66話

サイト君の故国サンク連合国は、座標軸が北緯40°東経135°である。日本海のど真ん中。秋田県の男鹿半島先端にある入道崎西方400キロの海中だ。 しかも、この連載は3月11日に先立つ9日に始まり、沈むの過去分詞が国名と通ずるから、偶然の一致にしても不気味…

サイト君 第65話

サイト君が語る故国サンクの話、隣国メゲーヌ滞在が45年超の長さになることもあって、2つの国を対比して語る事が多い。 サンクでは、この度の地震津波のような大災害の時は、複数の行政執行トップを置くことができるようになっている。それは単純に言えば、…

泉流No.33 里の海山

* 山に川 一胞帯海 とこしえに 〔駄足〕先般取材目的でぶらり訪ねた丹後半島が、世界自然公園ジオパーク指定地内にあって地球惑星科学特異景観自然公園であることを前稿で紹介した。 今日はその続編である。 間人<地名。タイザと読む>の海浜にたたずみ、…

サイト君 第64話

サイト君が語るメゲーヌ長期滞在体験段だが、この度の大地震津波を機にいよいよ21世紀の新体制構築が始まるとの印象に転じたとの事、、、 140年前から敗戦までの間に形成された総動員軍備の命令受領型ガバナンスから脱して、積極的に動く自立型市民へと着実…

泉流No.32 ガイア

* 阿蘇海 ガイアの女神の 遊園地 〔駄足〕国際連合は、第2次世界大戦後に人類の願いである戦争放棄による世界平和を実現する国際機関として活動を始めた。 弱肉強食の短絡ルールしか存在しない国際外交と武力行使を常識とする国際政治の舞台に、小規模であ…

泉流No.31 間人<たいざ>

* 間人を タイザと詠ます 難読地 〔駄足〕丹後半島で温泉に浸かりながら雄大な夕景を見たことは既に述べた。古い国名の丹波は,この地で見る夕陽が映す雲と海波の鮮やかな茜色〜オレンジに由来するに違いないとする主張もまた既に述べた。 丹後半島は、東ア…

サイト君 第63話

リーダー論の4日目にして最終稿である。 故国サンクは,隣国メゲーヌを参考にして社会科学の対象であるコミューンの諸制度を科学統理的合理性に沿って構築した。とサイト君は言う。 単約化すれば、君主制にいかなる修飾・制約をトッピングをしても、臍の緒を…

泉流No.30 丹波

* 丹波とは 夕陽を映す 雲と海 〔駄足〕この丹波とは,旧国名の丹波を指す。音声表記すれば「たんばorたんぱ」となるが、ここから話題が込入るのでキィワードを使うこととする。 ○旧国名は明治政変以前まで行われた。その根拠は律令制下での行政区分である…

泉流No.28&29 建て橋

* 3、5、8 景気ついでに 0を付け 〔駄足〕どうでも良いことだが、オバマ再選は成るのだろうか?選抜過程での演説論調で大いに期待させられたが、今思うとさしてリベラルな方向に舵を切った感じもない。ブッシュ・Jr.が酷かった分煌めいて見えただけだの…

泉流No.27 丹後半島

* 夕日浜 とよ旗雲を 仰ぎけり 〔駄足〕梅雨は時に波のようなうねりがある。梅雨の合間の2、3日を縫って丹後半島に遊んだ。いつもながら、ぶっつけ飛び込みだ。当然に何も成果の無いこともある、空振りもまたよいものである。 丹後半島は畿内でも山陰は眼…

サイト君 第62話

リーダー論の第3日目である。 サイト君の故国サンクの隣国であるメゲーヌ政治界の動きは、大災害の有無にかかわらず時も所も弁えること無く迷走する。いつの世も社会のお荷物である。 明治政変が築いた君主制の基本構図と民主パラダイムに基礎を置く政党政…

サイト君 第61話

サイト君が語るリーダー論の2日目、まず昨日の要約を再掲する。 隣国メゲーヌが被った人類史上2度の核汚染、その時のリーダーではなく、権力機関としての性格を指摘していた。演技者でしかないリーダーの資質を論ずる意味は乏しい、メディアの報道しない権…

サイト君 第60話

今日のテーマは、リーダーとは?です。 この度メゲーヌの東の方を襲った地震津波は、原子力発電所トラブルを伴いもう一つの深刻さを世界に見せつけてしまった。=この国の根底にいつも見え隠れする課題であるリーダー問題の再燃だ。 サイト君にもこれと言う…

サイト君 第59話

今日のテーマは、未だ答がみつからない課題を取上げる。そんな課題はもちろん星の数ほどある。サイト君の選んだテーマは、市場競争と地球環境であった。 切口もまた無数だが、答に至るためのキィーワードを掲げ着手点を示すとして、まずタイトルの定義をしよ…

サイト君 第58話

今日も政治・経済・社会3界紹介論の番外編である。サイト君の故国サンクでは、主に食・衣・住などの取引に使われるローカン地域通貨があること。それは資本化しない貨幣で、1国2通貨制が採用されていると紹介した。 前2者はさておき、住居の購入は高額で…

サイト君 第57話

サイト君が語る彼の故国サンクの政治・経済・社会の3界紹介談は、第42〜56話と約2旬間で終った。 今朝はその番外編、某ラジオ局の特番でふわーっと聞いてしまった話。 この3月大被災を受けた東北の一市町村が、電波を管轄する中央行政府に対してコミュ二…

サイト君 第56話

社会界の後半である。前稿は世界的にも稀な骨董制度が生続ける妙な国メゲーヌと宣告して終った。 程度低い代行サービス業務が何で公的資格に当るのか?疑わしいレベルの資格保持者が充満し、まるでワル代官並に振舞う・横行する中世的息苦しさをメゲーヌの国…

サイト君 第55話

サンク国では政治・経済・社会の3界を明確に区分し互いの間に隔壁を設けたことで、オープンかつクリアーなコミューンが形成され、フェアで明るい雰囲気になったとサイト君は言う。このテーマは第41話から始まり 42 話 政治界 43〜54 経済界 と紹介してきた…

サイト君 第54話

今日は引続き、サンク連合国の生活必需品関連産業でのみ使われる資本化しない通貨がテーマである。 前稿で世界経済の来し方を概観した。東インド会社400、産業資本主義250、銀行券の非兌換性40、と年数カウントはアバウトだが、どれも飽くなき金儲けを謀る悪…

サイト君 第53話

今日のテーマは資本化しない貨幣である。資本とは「もとで」のことだから、人類の創世とともに始まり、事業の必然要素である。 事業の3要素=「もとで」は、アイデア&パートナー、おカネ、物と場所。カネで買えない要素が多い。 人材を人財と書く金儲け論…

サイト君 第52話

今日サイト君が語るテーマは資本化しない貨幣についてである。サンク国の政治・経済・社会を通貫する権力集中と長期固定化の阻止を目的に設けられる3界を区分する壁の一核として、このおカネは経済界の第1次産業のみで使われる。 キィーワードは2つ、1は…

サイト君 第51話

貨幣論のサイト流簡略編の最終稿(3日目)。印刷記号を以て権利を表示する有価証券類と無実体貨幣には、信用なる資本主義経済の宿痾とも言うべき特種の課題が随伴的に発生する。と前稿で述べた。 では信用創造したくとも厳しい物質的制約・物理的限界が伴う…

サイト君 第50話

今日はサイト君の説く簡略貨幣論の中間稿である。貨幣を実物貨幣と無実体貨幣の2つに大分類している。 まず実物貨幣だが、その出現は人類の出現とほぼ同時であろう。早い頃、稀少・麗美な貝が貨幣であったことは漢文字の残滓から伺える。江戸幕藩体制の中期…

サイト君 第49話

隣国メゲーヌになんと45年の長きに亘って滞在するサイト君はサンク国の人だが、多くの周囲人はそれを知らない。その彼が語る故国談も間もなく50話だ。 サンク国は、最短距離にありながらもメゲーヌ国民からは歯牙にもかけられないばかりかその存在が全く知…