2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

サイト君 第33話

昨日の続編を紹介する。 メゲーヌ来訪滞在45年のサイト君が,メゲーヌで始めて遭遇した驚ろき、その後も変わらなかった驚ろきは、新聞のタテ文字書きと判型の大きさ。 それが引続き今日のテーマだが、45年間変わらず新聞だけがその体裁を保ったことは確かに…

サイト君 第32話

この国では外国人であるサイト君だが、長期滞在期間はもう45年になる。 しがらみの薄い観察者の眼で見たメゲーヌ国の風景、つい先日彼が語ったことの聞覚えを紹介しよう。 驚いた、そして驚きつつある事の一つが新聞である。過去のしかも現在進行形でもある…

サイト君 第31話

サンクの国に生まれ育ったサイト君が、隣国メゲーヌに移り住んで既に45年になると言う。この間時々に郷還りしており、彼には2つの国に知己友人がいる。 もちろん、先の稿で述べたように彼はその事をメゲーヌでは積極的に語らないので,サイト君が外国人であ…

サイト君 第30話

サンク連合国の市民であるサイト君は、約45年前から隣国メゲーヌで働いている。 今ではだいぶ慣れたが、時々滞在当初の頃を思い出して語ることがある。 今日は、銀座の話だとか、、、、 まずこの繁華街は東京のシンボル的名所。世界的にも高名な商業集積であ…

サイト君 第29話

近頃サイト君が話す故国サンクの話題は、群団処遇編ばかりが続いた。それは内容が新鮮で興味深く、ワイドだったのだが、、、社会科学系のやや実相の見えにくい語りばかりでは、いささか肩が凝る。 ここらへんで、サイト君が自宅に送ったメゲーヌ国滞在体験報…

サイト君 第28話

昨日に続きサンク国での群団処遇編の第4稿である。 サンクは、隣国メゲーヌにおける会社の持つ影響力の強さについて全面的懸念を抱いている、今のメゲーヌでは会社はその経済活動が極大化し経済の領域を超え、政治の領域・社会の領域にまで悪影響を及ぼす状…

サイト君 第27話

今日はサンク国における群団処遇編第3稿である。 群団とは、足元の国で言えば経済活動の主役である会社のこと。群団処遇とはありていに言えば、会社の存在・行動を個人支配のままの野放し状態にしておくか、それとも衆人監視の下に置くべきか、法律の決め方…

サイト君 第26話

サイト君の故国サンクは,隣国メゲーヌを参考にして国の基本を打建てたのだと言う。 今日はサンク国群団処遇編の第2稿であるが、群団とはつまり人間の集まりのこと。世界中でこの250年ほど会社と呼ばれる急増急成長した経済利益追求団体が採る、余りに過激…

泉流No.22 沈丁花

* 門口に 妻の声聞く 沈丁花 〔駄足〕この春は千年に一度の大変事があり、天候がまた常ならぬ推移を辿りつつある。 どちらも太陽黒点が地球にもたらす変動の一つであろう。これら変動に科学的相互関係が想定されるが、その解明はまだ暫らくかかりそうだ。 …

サイト君 第25話

人なる字のカタチは、少し歪んだ2つの線が支えあいながら立っている。シマグニへ文字が伝来する以前からあった詠みの方は「ひと」だから、人が1つ限りの存在だと強調することに由来するのであろう。 序でに欧州を代表して英語に登場してもらうと、”MAN”だ…

サイト君 第24話

サイト君の故国サンクは,隣国であるメゲーヌ国を教訓にして社会のあり方を構築して来た。今日は、国民自らが主権者としてどのように政治を主体的に動かしているか?つまりサンク国のガヴァナンスの状況について紹介する。 サンクが地域主権団体であるローカ…

サイト君 第23話

今日は引続き、消えゆく輸送に置代わって伸びつつある情報通信のテーマを語る。 昨日、サンク国が構築して成果をみつつある情報ハイウエイのことを述べたが、いきなり知的財産権に話題が及んだことに違和感を感じたかもしれない。 知的財産権とは、文学・音…

サイト君 第22話

サイト君が言う。彼の故国サンクとメゲーヌ世界とを比べた場合、最も大きく眼に見える違いは交通だと。 ヒトとモノとを運ぶことは、人類の歴史においてかなり興味のある課題である。足元の国にある正倉院の収蔵物などは、様々な見方が出来る。 例えばシルク…

サイト君 第21話

サイト君は実は足元の国の住民ではない、自ら積極的に明かさないがサンク国から来た長期滞在者の一人である。 その事実を知る人はごく少ない。 積極的に明かさない理由は実に簡単だ。足元の国には自国民とか他国民とか本人そのものよりもその所属類別を以て…

泉流No.21 浪の花

* 浪の花 春陽は霞む 堅の海 〔駄足〕この数日東北に居た。 そこでマグニチュード7超の余震を体験した。 彼の地は昨秋の取材滞在以来だが、親不知・子不知以西に住む者にはいささかきつい体験であった。 3月11日以来続く80回以上もの多きにわたる東日本の…

泉流No.20 1と1

* 1と1 並ぶと怖い 数字かも 〔駄足〕新暦4月も既に7日だ。桜の開花通報もぼちぼち届き、入学・進学と前途ある若者の姿が収まる所におさまって,街の喧騒も遠のいた。 風は南から吹いているが、驚くほど強くそして冷たい。近く遠くの山々も春霞に程遠く、白…

サイト君 第20話

昨日、サンクに固定資産税に当る税が存在しない理由を説明したので、サンクの国や文化のありようを概ね理解して頂けたものと思う。一言で要約すれば、人類の歴史において始まりの頃の人界は階層も序列もなく、誰も他人を従属させたり他人から収奪する事がな…

サイト君 第19話

サイト君が第17話で税の話をした時、固定資産税が無い事について疑問に思っていたので少し突っ込んでみた。 なんと”話は長く屁は臭く”そのもの、猛然と語るのだが、ここではその要約を紹介する。 ”サンク憲法”に『自然を構成するあらゆるものを私的所有とし…

サイト君 第18話

今日は昨日の続きで、サイト君の故国サンク連合国の政治・行政の仕組を簡略に紹介しよう。 国の形=政体組織としてはサンクとローカンから成る2階梯制だが、サンクの守備範囲は憲法と国際外交だけで、それ以外の全てつまり地域市民の生活全般を扱うのはロー…

サイト君 第17話

たまたま前稿で、税を徴る<はたる>話題が出た。サイト君の故国“サンク”にもやはり税金があることが判ったので、これ幸いとその概略を聴いてみた。 理解困難な例のコンニャク問答から始まった。 政治の仕組は、地域から成るローカンとローカンの連合体の2…

サイト君 第16話

サイト君の故国=”サンク国”がトライした社会実験=万民の働らく場の公開つまり短期任期制・公募採用制は、所謂官と民の壁を消した。 A君は今年民間会社のサラリーマンを辞め、2年契約の公務員に応募し採用された。 45歳未満の若者に対する働らく場所は極め…

サイト君 第15話

この数日サイト君は、パラダイムの話題ばかりだったが、実はそれは彼の故国”サンク国”を語るための布石であった。 現代の主要国が産業経済社会であり、まずまずの豊かさやそこそこの民主・平等を実現した。だが、その前提となったパラダイムは、産業革命の勃…