2010-01-01から1年間の記事一覧

泉流No.2 雷花ショウ

* ごくろうさん 連日連夜の 雷花ショウ 〔駄足〕 大晦日である。 北陸には、この季節「ブリオコシ」なる気象現象が起る。 ブリは鰤で、オコシは起すであろう。上空の大気が猛烈に動き,雷鳴が轟くので、深海に眠っていた(=との噂であって、見て来たわけで…

泉流No.1 川崎だいし

* 枕辺に 川崎だいしが 音届け 〔自註〕 この夜は眠りが浅かったようだ。 この海辺の街に移り住んでもう2年が過ぎた。 日本海側の地に生まれ、30数年振りに振出の地に戻ったのだから、この地の秋から春先に掛けての強風は、折り込みのはずだ。借家を捜すう…

生泉流No.1 ケータイ

* 意味不明 道行く人の 怒鳴り声 ケータイ・ガイジン 狂風みぞれ [自註]北陸の冬は、風神雷神の独擅場である。 黒く低く隙なく垂れ込めた雲の上は、入道雲が溢れんばかりの密生状態であろうことが容易に想像される。雷鳴と稲妻は、入道なみに恐ろしい。 …

年の暮れ爺泉流

* No.1 名は体を 示さずと吹く アキの風 <駄足> 新シリーズである。爺泉流は声に出して詠んでもらいたい。そう耳には<じじせんりゅう。時事>と聞えるから、下手な解説はしない。 慌ててタイトルネームを捻り出したので、いつもながらの駄作<ださく>…

2011年頭のメッセージ

*恒例の 過ぎた2010年の総括報告である。 冬の終頃に突如夏が来たような、そして異様に暑い夏。 急に思い立って3週間ほど中国を彷徨った。 暑さが過ぎたらすぐに寒くなり、過ぎた年は春と秋の印象が薄かった。 平城遷都1300年かつ日韓併合100年…

深解広説俗流事典No.2−2

No.2−2 ごみの続編 ごみの一言で片付けてしまい、その行く末に何らの関心をも持たない都会人のプラグマチックな生き方は、この分業が徹底した経済社会が産み出す部分品人間像に相応しいのかもしれない。 収集されたゴミは、どこへ行くか? 中間段階で燃やさ…

深解広説俗流事典No.2−1

No.2-1 ごみ ごみは、色々の文字があてはめられる。 ゴミ、塵、塵芥、資源素、都市鉱山などだ。 まずゴミだが、カタカナで表記するものは、動物や植物の名、外国由来の文物などである。 であれば、「ゴミ」は貿易立国一本やりの国策を反映した適切な表記と言…

閑人耄語録ーNo.70

* 雨つづく ヨメナの花も 寒からん 〔自註〕夏と冬の間が短い兆しがあった。 メディアも昨日から列島の上空に寒波が迫りつつあると報じている。数日前から太陽が消え、雨が降っているのか已んでいるのか,室内から窓越しでは判然としない日もあったが、いよ…

深解広説俗流事典No.1の3

*No.1の3 しかくしめん の続々編 四角四面、このありふれた形は、農地や建物など、その内部空間でワークする環境と考えた場合、合理性において正六角形に劣ると前稿で述べた。 それは単にカタチの考察でなく、その中で働らく人やトラクター作業などの総合的…

深解広説俗流事典No.1の2

No.1の2 しかくしめん の続編 四角四面は、ワークするうえで合理性を欠いていると宣言したまま前稿を終えた。 この続編では、そう宣告する背景をまず述べる。 四角四面のカタチを詳細に考えるには、形の内側と外側とを区分する。 宅地や農地=個人の所有地は…

深解広説俗流事典No.1

*No.1 しかくしめん 突然想いついて今日から新シリーズを始めることとした。 題して深解広説俗流事典とする。 これもまた思いつきだから、いつまで続くか未来の事はとんとおぼつかない。 例によって、詰らない事をおんぼらあと述べるが、致し方ない。そん…

閑人耄語録ーNo.69

* 見渡せば 雲おも白く 秋桜 〔自註〕秋ザクラとは、コスモスのことである。締くくりが4音では、気持が収まらないので、秋ザクラとしたが、その由来はよく判らない。 春の桜と相通ずるもの、つまり国民国家然とした栽培推進運動の対象草花に指定されたこと…

閑人耄語録ーNo.68

* よわは雨か 木犀いずこ 花いかだ 〔自註〕COP10が始まった。生物多様性と生態系との関係が、いま一つ自信が無い。生活実感まで絡めて腹で解らないと、真に理解できたように思えない。 生物とりわけ植物が、今日の地球環境を創造的に形成したことは、実践…

閑人耄語録ーNo.67

* 僻村に 鬼女二人出でて 雨あがる 〔自註〕10月9日ライブがあった。我家からは50キロほど南にある隣の町の臨時?会場で行われたのだが、、、 言葉の使い方にクレームの畏れがありそうなので、まずその辺から、、、 僻村<へきそん>だが、詩人の一人として…

耄想陸行録 第20稿

* 時うつり 東に向って 水かえる 〔自註〕重力に最も正直に従うものは、水である。 地球上の物質を単純化して単体状態を仮定する、温度や圧力の環境差により、三態が考えられる。 水に関しては、常温常圧つまり普通に見られる姿は、液体状態の水だが、これ…

耄想陸行録 第19稿

* どうしたら タコツボ出れるの ロジンさん 〔自註〕大陸3週間の旅は、3度目の訪問だが黄河流域歴訪は最初の体験であった。 北京から入って廻り、そして北京から帰国した。 魯迅の旧宅も天安門も、ホテルからの散歩圏のうちにあった。 既に述べたゲーリー…

耄想陸行録 第18稿

* 遠目にも 泰山キスゲ 咲く日かな 〔自註〕花の命は短いと言うが、開花は一日限り、朝開いてその夕べまでに閉じてしまい、二度と花びらを開くこと無く萎んでゆく種もあるとか。 小学校の夏休み研究にされるアサガオがそれに当るそうだ。 泰山<タイシャン…

閑人耄語録ーNo.66

* 畑づくり まずは見廻る 手も肥やし 〔自註〕畠と畑とは、字も意味も違うらしい。そのうちに調べてみたいものだ。 百姓の真似事を始めて、もう4年目だろうか? この間に転居のため約300キロも移動、生き物は自力で移植したが、標高差が700メーターもあっ…

閑人耄語録ーNo.65

* 見あげれば そこに昔の 蒼い空 〔自註〕つい昨日まで、暑さの苦を口にしていた。今朝いつものとおり、眼が覚めてから畑に行った。その帰り道、ふと高い方を見上げたら、例の見馴れた蒼い空があった。いつの間にか秋の空になっていたのだった。 住む家の近…

耄想陸行録 第17稿

* 尖閣島 千尋の深さか せん隠す 〔自註〕釣魚島と尖閣諸島とは、同じ1つの空間域を示す2つの呼び名である。大陸と列島と2つの主権国が、それぞれ領有を主張する東シナ海の島である。 国際政治の問題は、思った以上に懐が深いことが多いから、触れずに放…

閑人耄語録ーNo.64

* 丈たかし はらいて立つか オミナエシ 〔自註〕オミナエシが、山野の中にすっくと立ち、あたりをはらうように咲いている。 秋の七草の一つに数えられるポピュラーな花だ。 春ならまだしも、夏が過ぎたこの頃に黄色い花を咲かせるとは、主張を貫ぬこうとす…

閑人耄語録ーNo.63

* 形・いろ キキョウは花の 王子サマ 〔自註〕星形に濃紫<こむらさき>色の花を見て、星の王子サマを想った。 桔梗の字を宛てるが、俄にその謂れは思い出せない。当てにならないが、字面からおよそ男児を連想した。既成のイメージに捕らわれやすい軟弱な詩…

閑人耄語録ーNo.62

* 何よりも 風の恋しき ススキかな 〔自註〕例年であれば、日脚が短くなり始め、野辺のススキや赤とんぼを見つけると、一抹の寂しさを覚えるものだ。 だがしかし、今年は逆だ、涼しさを求めて高原のドライヴを狙ったのに、、、、 季節外れの環境の中でも、…

閑人耄語録ーNo.61

* 百姓の 災難元年 始まるか 寒い春・梅雨 暑過ぎる夏 〔自註〕眼の前、足元は、依然として猛烈に暑い。世に暑さ寒さも彼岸までと言うそうだが、おそらくこの勢いで経過すると、死語扱いされそうな雲行きである。 それに、 海の無い・・・メグロならずも・…

閑人耄語録ーNo.60

* 秋アカネ 落した涼風 拾って来ぅ 〔自註〕昨日は、台風が眼の前の海上を通過したが、台風の眼が近過ぎた?のか、大雨というほどの降りではなかった。 秋アカネは、この頃畑で見かけるトンボだが、空が高くなったせいか、鮮やかな赤が眼につく、、、、 ト…

耄想陸行録 第16稿

* 規制なく 交通事故なきゃ 一りゅうもん 〔自註〕大陸では交通標識も交差点のゴー・ストップもほとんど全く見なかった。 それでまた交通事故も見てないのだから、それなりに申し分ない、理想社会である。 ただし例外はいつもある。前に書いたが、標識規制…

耄想陸行録 第15稿

* 囲い込み 内に籠って 自画自賛 〔自註〕平遥は明時代の初期に造られた古い城の壁に囲まれた街だ。世界遺産に登録されたことで、脚光を浴び、生き返らんとしている。 北の門から入場料を払って城壁の上に上がった。城壁の高さは、ビルの4階か5階くらいの…

閑人耄語録ーNo.59

* 百姓つぶすにゃ なんにもいらぬ 真夏日10日で ノイローゼ 雨無し20日で 夜逃げする 〔自註〕7・7・7・5・7・5<字余り容赦>となるが、果たしてそのような詩の型が、あったかどうか記憶に無い。とりあえず、平成今様<へいせい・いまよう>とでもし…

耄想陸行録 第14稿

* 商街路 ヘイヨウのんびり 歩かれず 〔自註〕舞台は、引続き明代古城世界遺産の街「平遥」<ピョンヤオと発音表記しておくが、アクセントが微妙な言語であるらしく表記上の限界があるもの>である。 平遥は、四辺を城郭に囲まれた城の中の街である。 一際…

閑人耄語録ーNo.58

* 水散らす 周りに褒美の 虹が立つ 〔自註〕間もなく8月も終る、気温が下がらない。生き物と共にある自家消費専業農家は、連日の水やりに疲れてしまい、どうにかしてこの苦役から逃れようと思い悩んでいる。自己破産なる都合の良い制度は、農業には無いの…