メゲーヌこく訪滞記より

第7話
ベート登場する。「オラ、何しとうど? おみしゃらしぐもねえ」
・・・ 「オラは、キャラバンを見たド」
ベート曰く、「返事こぐでねえ。そりゃ、変事ずらけ」
オラ 「んでねえ。映画だば、撮影隊の、、、」
「あちゃあ、おみゃあ、上田さ、行ったな。そいだもんで、いつもの、ぼうっとが、跳んですまって、まんでロボットずらけ」
「誰彼ば、来とったけ?」
オラ曰く、「ハハーン。ベートも映画キチやな。綺麗な人やったな。んだども、オラが見ちょるどぎにゃ、ちいとも、演じんかったちゃ。
女優の名か?そっつらもん。オラにゃ、判らあすけ」
「ベートも、ロケハン見たかったちゃあ。長野県上田市は、四方が山だからにゃ、天気は良えし、景色も綺麗だっちゃね。ネホンのハリウッドちゅうてな。撮影が多いニャ」
オラ、「こごは、ほんに晴れる日が多いニャ、確かに、ネホン州のサンベルトだぎゃあ。
そいだもんで、高い山があるすけ、いろいろな雲が、さまざまに、カタチを変えて流れるっちゃ。
一日中 空を見上げてても、飽きるコンにゃ、とんど無え。
そいだもんで、皆ニャバ、オラを、ぼうっとど、言うだあよ。
ホントはよ、オラはよお。コンピューター付ロボットと言わるっと。
んだども、青い雲、白い空を見るのが、趣味やんけ」
ベート笑う「それば言うなら、白い雲、青い空だちゃ。天を見る時にゃ、どうするだ?」
「決っちょる。仰向けに、なるべよ。気ン持ち、ええど」
一層わらう 「はは、へえ。おみゃあ、天こらふいだば、すぐ眠るっちゃよ。野っ原で、昼日ん中がら、ぐうすかやるもんが、おらあすか。
なんば、ロボットぞい。おまんだば、ぼうっとオラじゃ」
オラは、趣味のこんで、笑わったすけ、トサカさ、来たはんで、帰った。ほいでも、勢いで、イヤミシェンシェに、続きを売りに行った。
イヤミ曰く。「ほう、オラは、アオテヤだずら」
「そりゃ、何じゃけ」
ニュージーランドやったな、じゃによって、マオリの言葉じゃろ。天気の良い日は、気持がよいんじゃ」
「映画人は、皆にゃ『お天気屋』らしいぞ。
ネホン州だど、東京都の調布市から隣り合う神奈川県にかけて、USAではロサンゼルス市のハリウッドが、映画産業の中心じゃ。
上田やニュージーランドはロケ地としてのハリウッドかにゃ。
いずこも、日照時間最大の好天ゾーンずら。
んだども、ネホン州は、撮影上の障害が多いんで、お天気屋どもトサカを隠すのに、まんで、てえへんじゃ。
話しば、最低に短ぐすっど、ヤク、スパイダー、ランタンの3つじゃ」
オラ言うた。 「3つは、短くねえずら。そいだもんで、ちいとも判らんぞい」
「まあ、言うたば、キーワードじゃ。
ヤクとはな、道路のカンとか、クルマのサツとかだっちゃ」
オラ言うた。 「ますますもって、オラにゃや、判らんぞい」
「道路は、自然のもんじゃねえのだ。人がこさえたんじゃ。壊れたら、また作るぞい。カネが係る。
管理する人をカンとまあ、おイらは、言わんが、そう呼ぶ人がおるらしい・・・・」
オラは思うた。 〔イヤミシェンシェの話が、回りくどいのは、フォーキャラ<=補注。米語の隠語か?4characters?  広言を憚る言葉>のためらしい。
見かけ以上に、不自由で、人権後進国なのだが、当地現住民には、その認識がないから、トンボダマだ〕
オラの返事 「カンだば、要するに道路の管理者のことじゃろ」
イヤミ曰く。「うんにゃ、ちと違うが、まあにゃ、そったらもんよ」
オラ言うた 「サツたちゃ、そん道路の上ば、走るっとクルマたい。じゃによって、交通警察だらけえ」
「うん、おうとる」
オラ言うた 「んだども、道路の下の土地は、公共のものずら、道路もそやろうけ。交通警察やて公けの法律さもって、公けのために取り締るたい」
「んにゃ、だいたい、おうとる。したば、オラに質問すっど。
オラは、オラのクニに、帰ってだらば、ヤク所に入って、ヤク人に、なっかや?」
オラの返事 「オラは、ヤクはやんだな。オラのクニは、後進国で、しかも貧乏じゃけえ。
それによ、オラのおふくろが、『すまじきは,ミヤ仕え』たあ、言うたちゃ」
イヤミ曰く。「うんにゃ、オラのおふくろさあば、学者やにゃ。
おイらは、未だオラのクニを、訪うたことがねえだが、おおかた 大差は無えぞい」
オラ 「おふくろは、こうも言うたち、ヤク人は、役に就きたがるが、役立たずど」
「どこさ行っても、税金でこさえた公共のものを、あたかも自らの物のごとく独り占めして、権限を振りかざす、困った者が溢れておるらしいにゃ」
イヤミ曰く。「とか、とか、で繋げだ意味は、あまりに多過ぎてにゃあ、不自由なこった。
道路ばっかしで、映画を撮るわけじゃ無え。川もあるし、滝も背景にとまあ、etc。ヤク所は無数に増えるどお。
こんクニじゃ、下から上がうるさくて、いつになったら許可するのか?しねえのか?無駄に時間が過ぎっど、聴いた。
無数にあるヤク所を、お天気屋ども大勢の頭数で、たらたら駆回ってらんね。
そいでん、便りのムラヤクバが、一括窓口なってやらんば。
ヤク所同士でも、当然に上下があるらしいが、そこはそれ、下から伺いを挙げるヤク所が、当事者じゃない、仲介の立場じゃと、強調して演技するかんな、
とまあ、おイらも聞いた話しじゃ。
役所と言う名前の役者がおるっと、関係にゃあか」
こんでやっと、1つ目が済んだ。まだ、2つかや、やれやれ・・・・・オラの独り言ずら
イヤミ曰く。「次は、簡単じゃ。スパイダーちゅうは、蜘蛛のことばい。オラ、オミしゃんの頭の上ば、見んさい」
「あちゃあ、蜘蛛の巣ばっかで、雲が見えん」
「そうたい、折角の町並みも、道路を横切る電力蜘蛛で、絵にしかならん。活動写真にゃまったく無らん。
街を出ても、そうじゃ。
あの山の上を見たれべし。尾根筋を選んで、わざわざ目立つ所を高圧送電蜘蛛の糸が、ずばあっと通っちょる。
折角の虹も、ありゃ、絵描きだけのもんぞ。写真にゃならん。
かねかねで、滅茶苦茶に走り回った。ある時、フト,振り返ったら、天与の景観は、台無しになっておった。
取り返しがつかないことは、するんじゃない。と言う『三年寝太郎』の昔話を、オラは知っちょるか?」
「ま、いいか。果報は寝て待つよ・・・
最後のランタンにゃ。
残念ながら、おみゃの答はブーだ。撮影用の照明機材だと、思うたじゃろ。
実は、ネホン語の提灯の、こんだ。
オラも、ちょうちんの一人だったわけじゃ。撮影隊の廻りを、大勢の物見閑人が、取り囲んでおったやろが」
オラの返事 「見物のもんが、なんで、ちょうちんぞい」
「提灯は、1個あれば、そいで十分よ。
そいでにゃ、暗い夜に、外を往く時に使う。
主人か、その従者が、手に持つ提灯は添えものでしかないのに、
遠景の中では、他をさしおいて目立つ存在だ。
そいでもって、主が家ん中に入ったら、もう要らんちゃ。
つまり、メインじゃないのに目立ってしまう、ある意味困る奴だっちゃ」
オラはぎゃふんしただ。
まったくもう。今日も長かったにゃ、
オミしゃんにプー