閑人耄語抄No.25

 器械ナヴィ   カアちゃんゲーターで   よく走る
【自註】 朱鷺めき国民体育大会の応援で、新潟県刈羽郡刈羽村に2日ほど滞在した。座標軸不案内の場所に行く、そしてまた還る。そのような言い方を書込むことは、占領下で60年以上も生きていることの、ある意味人間の証明である。それ以上の年齢の人はあまり旅行をしない。それ以下の人=つまり若い人もまた移動を好まないらしい。
これを若者の保守化と言うそうだ。自動車販売が不振で景気がよくないことと表裏一体の最近の社会事象である。因みに、老人の保守化は人生の終末期臨界兆候であるから、まったく話題性を欠くからどうでもよい。だがしかし若者の保守化は、民族の=つまりニッポンに限れば則ち国だが=退嬰現象かも知れない。尤も若者の貧困が招く合理的な消費選択行動でもありそうだ。
そのどちらでもあるのか・どちらでもないのかは、データを持たないので、未だ決めかねる。
さて、比較的気軽に移動するこのサンドイッチ年代層に属する閑人の一人は、グウテンベルヒエージ化石人なので、座標軸不案内の場所に行く時は、主に道路地図に頼る。だがしかし、それだけではおぼつかない。そこで、そう第2と第3の句に分割し配置したナヴィゲーターにも頼る。
これは、ダブル支出であり、確かにゼイタクだと想わないでもない。でも、そうしないと合理的な移動が困難な、この国の不自由さに慣れ切ってしまったせいか、文句は言いながらも、両方に頼っている。
ここで読者の声が聞える。予め地図を調べ、頭に入れてからスタートせよと。爺さんそんなに忙しいことは無かんべえよ。
と、それもそうだが、記憶の力はとうに老人の力に敗北してしまったようだ。
ついでだから小声で言うが、この国の不自由さとは、情報の正確度が低いことにもあるのだ。
正確度については、苦い体験の裏付がある。たくさんあるが紙数の都合で一例に止める。
こうである。メーカー純正なる名前が付いたナヴィゲーターで走る。
高速道路回避モードでセットしたにもかかわらず、一度有料道路を経由した直後から、理解不能な道路誘導をされ続けたことがあった。
再セットのためには、メーカー純正高額タイプでは、駐車することを強要される。これをこの国の不自由さであると筆者は言うのである。
メーカー純正ナヴィには、ベースモードとしてGDP押上=高速道路誘導モードが、セットインされているに違いないと想っている。
対策は、そう助手席にナヴィそうさいん<=ナヴィを操作し、地図を捜査する。この他に情報体系におけるディジタルとアナログの双方の方式上の欠陥を排除して統合的に調整する重要な機能も果たす>を配置することである。門番をゲーターと言うかどうかは、外国語に弱いので踏込まない。
門番のゲーター役は、運転以上に疲れる責任の思い仕事のようだ。なんせ運転もチェックするからである。
ナヴィは素敵に耳になじむセットインされた声でアナウンスする。耳順とは老人力の備わる耳を指す古語らしいが、、、
その声での情報はまず疑うとの脳内モードが出来てしまっている。
こっちのネエサンの声は時に古くて狭い道へ誘い込み、板金工場の売上に繋がるGDP押上を狙う、『クニイエさんなる回し者』の響きである。
他方のバアサンの即興ナマの声は、家計合理性に直結する安全選択の声なのである。
上に政策あれば下に対策ありとは、中国現代のコトワザだそうだが、まさに国際感覚は、この時のために養うべきであるものかも、、、
さて、器械と機械とはどちらも「きかい」だ。古い機械工学者は、回転装置を内在するかどうかで使い分ける。後者の字体は、回転ありのケースだそうだ。
高価なナヴィには、ジャイロが搭載され、当然に何かが廻る。
機械音痴は天性、後天的に取扱説明書判読困難性盲症を患って長いので、とりあえず、器械とした。