2016-01-01から1年間の記事一覧

北上川夜窓抄 その28<実方と歌枕d> 作:左馬遼 

歌枕とは、筆者流の解釈では、地名の一群集のことであって、列島に居住した数多くの人々に愛された地名である。 世界遺産が定着した今日の状況を踏まえて述べると。「歌枕」は、歌人のみが独占する地名でもない。多くの列島居住民が広く共有し、名所・旧跡と…

北上川夜窓抄 その27<実方と歌枕c> 作:左馬遼 

時は平安中期、西暦紀元1000年の頃のことである。 このシリーズ内・部門稿の記述も想像以上に手間取ってしまい。今日が第3稿である。 そこで、<実方と歌枕>なるパーシャル・タイトルを、今日思いついて俄に追加した。 さて、懸案の清少納言が登場する。 実…

もがみ川感走録第55  もちの話7

手前味噌だが、吾が著作たる川シリーズの中で この”最上川”は、基幹著作となりそうだ。 餅が好まれる事において、最上川流域を含めた東北地域は、特異なフィーバーを見せる最後の秘境になりつつある。 新庄のクジラ餅に始まった、体験的プチアンソロジーであ…

いかり肩ホネ五郎の病床ネボケ話No.4

いささか危なげなタイトルである「いかり肩ホネ五郎の病床ネボケ話」だが、 前半に当る『いかり肩』の標題採用理由は、前稿までに概ね語り尽くした。 残るは、後半の『ホネ五郎』の方だ。 と言っても、こっちの方は至って簡単である。 昔から、笑いを呼ぶキ…

イカリ肩ホネ五郎の病床ネボケ話No.3

前稿で予告したので、今日は、表題のサワリについて、その続編をおっ広げる。 『イカリ肩ホネ五郎』とは?タイトルとしてかなり奇妙きてれつだ。 筆者はこう思った。 古希を過ぎた老爺の入院後日談なんぞ、誰が読むものか?と。 まあ通常の読者から回避され…

北上川夜窓抄 その27<実方と歌枕b> 作:左馬遼 

前稿で予告してから、続稿の約束を果さないまま、もう間もなく2ヵ月が過ぎようとしている。 ほぼ1千年も前の時・空間について、知らない事・迷う事・勘違いがあって。調べ事や記憶の修正に、思わぬ時間がかかってしまった。 その間、計画的に図書館通いをし…

イカリ肩ホネ五郎の病床ネボケ話No.2

先月の初稿に引続き、第2稿である。 初稿リリースからはや1ヵ月が経過した。 執筆の時間が思ったほど採れない。古希を過ぎ・世捨て老爺にも浮き世の義理は負ぶさってくるものらしい・・・とほほ 憂き世と書いた方が、まだ核心に迫る感がする。 さて、今日は…

北上川夜窓抄 その26<実方と歌枕a> 作:左馬遼 

その昔、もう40年も前の事だが。勤務先の都合で、仙台に転勤して、4〜5年の間滞在した。 仕事の事で特に思い出す事はないが、週末暮らしは実りある日々を過ごせた。 陸奥の土地のうちに住みマイカーを駆使して、歌枕の地や芭蕉行脚の跡地を実証しつつ、あち…

イカリ肩ホネ五郎の病床ネボケ話No.1

この年、春から初夏にかけて、ある総合病院にお世話になった。 時期が来て退院を迫られ。症状の方も、当初の危機的データを脱したので、已むなく自宅に戻った。 病院退去から3ヵ月が経過したので、生還を契機とした記録を作成する事にした。 タイトルは、い…

北上川夜窓抄 その25 作:左馬遼 

この稿を書くにあたり、過去に遡ってみたら・・・・ 去年の暮れに書いた、第24稿が最新ページであった。ほぼ半年ぶりの再開である。 なぜにこれほどのブランクがあったかと言えば、吾が人生のスケジュールがそうであったと言うしか無い。全く答にならない。 …

もがみ川感走録第54  阿古耶の松

もがみ川は,最上川である。 今日は、阿古耶の松を訪ねて,山形市を語る。 阿古耶(あこや)の松とは、歌枕で知られた地名だが。現在では、千歳山の地に建つ万松寺こそが、その場所であるとされる。 そもそも阿古耶とは人名である。阿古耶姫に由来し。寺に墓…

もがみ川感走録第53  もちの話6

餅の話は、最上川流域の新庄から書き始めたが。テーマとしては、山形県〜東北全般にまで及ぶスケールであることは言うまでもない。 モチとウルチの違いとは?単にそれだけの話題から。 日本列島を越え、文化源流と考えられる東南アジアまで及び。更には、モ…

もがみ川感走録第52  もちの話5

餅と東北の繋がりについて,あれこれ考えて来た。 餅は成立が古い。 将来に向かっての展望となると,広がるどころか、むしろ萎みつつあるらしい。 東北の近未来は、どうか? 古くかつ良いものを選んで、これまで生き続けて来た。 この好ましい面をいつまでも…

もがみ川感走録第51  もちの話4

モチとウルチの違いについて、前稿に引続き紹介したい 餅は、糯米から作られる。よって、モチゴメ栽培の無い世界にモチ食品は無い 糯米の不思議は、アジアの特定の狭い地域にしか見つからない事である。 その不思議の原因を。現代の農業は、概ね科学的に解明…

もがみ川感走録第50  もちの話3

東北は、もち文化の豊かな夢のような世界である。 しかし、その餅文化も,近未来を想定すると。先細りの危惧なしとしない。 その懸念は、筆者個人の感想とは言い難い。 筆者は、この「もち」の稿を記述するに先立ち、法政大学出版局から刊行された”ものと人…

もがみ川感走録第49  もちの話2

前稿で,山形県は新庄で造られる餅=久持良餅(クジラ・もち)の話題を採上げた。 その中に。江戸時代ではあるが、新庄に鯨の肉塊が届いたと。あった。 新庄は,今でこそ最上川に臨む内陸の中核都市だが、江戸時代は、戸沢藩6万8千石(知行地は最上郡全域…

もがみ川感走録第48  もちの話

前稿を書いたのが、2015.12.19だから。ちょうど4ヵ月前だ この間、前半2ヵ月は国民の義務たる納税申告の作業に費やしたが、科目別集計なる単純作業に,度々計算違いが多発してしまった。既に病気が進行しており、それでなくとも、精神集中が持続しにくい老…

川歩きの物語

本日現在執筆中の記事は,下記の2本である。 ○ もがみ川感走録・・・書き始め=2014年8月8日 ○ 北上川夜窓抄 ・・・書き始め=2015年4月19日 そもそも、タイトルにあるとおり。川に因んで風土記まがいの記事を書いてみたいと思ったのは、2014年の年初であっ…

執筆を再開したいがための予告

過ぎた1月4日に、年頭のメッセージを書いたのみで。 無為の日々が徒に過ぎた。 この間を回顧すると、前半2月程度は、納税のための知識を持たない者の苦難の時間であった。 能力の乏しい者には、意欲と体力を想定以上に消耗する年中行事=それが納税作業であ…

2016年頭のメッセージ

今日から新年が始動する。 文字どおり、元旦から三ヶ日を無為に過ごした。 文字どおりの意味は、初日から電子メッセージによる年始の来信があったが、今日まで返信を停めていたことである。体調もあって、その気にならなかっただけだが・・・ まず旧年の回顧…