メゲーヌこく訪滞記より

第9話
オラは、グ-リキがいつまで、自宅待機状態で居るのか、少し心配である。
それに最近、グーリキの顔を見る事が、少ないので、気になっていた。
ベートを市場で、見かけた。
ベート宣わく 「うん、顔は見てないが、元気でいるとの、噂は届いてますよ。
彼の中古車を見る眼は、確かだから。それに、彼独特のアレンジが、評判だそうよ。
クニを出て来たときは、カー・メーカーに勤めて、給料取りとして働くつもりだったでしょうが、
リーマンショックで、少し事情が変わったのよ。
あの国の人たちは、たくましいから、ネホン衆と違って、心配無用よ。
オラトール<=補注。オラのファーストネーム、以下に続く正式な名前は、あまりに長過ぎて覚え切れない。よって、以下略。但し、ジュゲムほどではない>やあ、
雇われるだけが、働く事ではねえ。グーリキは、このクニ流儀で、しゃべったらばは、一国一城のサムライだべし」
リーマンショックたあ、何ずらけ?と、質問ば、こいたら。
すかさず、答えが、空を飛ぶのだわ。 「そったらこたあ、イヤミシェンシェに、買うベエよ」
イヤミシェンシェ宅に行く。 
「まあ、一言で言うたば、USA発の世界的不況の事やな。
日本は、単なる大国だったば、えがったんだが。その前に、経済なる、余計な修飾語が付いとる。
付いとった方がええのは、アイスクリームのトッピングぐれえだばべえ。
この場合は、現実隠しの大国名乗りキャンペーンたい。だすけ、動機不純なんだわ。はげる時は、4文字全部一挙にはげるべえよ 」
オラは、言った 「一つくれエは、残さんと。行きがかり上、あんべえ悪くあんめえか?」
「大負けして、1文字ニャ。済みだな。大国の2文字は、最初に消えるベエ。
もともとが、国内向けの、官製詐欺キャッチフレーズだべえよ。
ネホン衆は、ブランド好きの、タイトルころり。耳障りが良けりゃあ、2度程聞いただけで、納得だっちゃ。
絶対に、もっと深く掘下げる事は無えのだ。ディベートせん事が、平和なのだと、思うちょる 」
オラ言うた 「100年に1度と言うずら、、、」
FRBをリタイアした、グリーンスパンが、吐いたそうだ。あのとぼけ顔の、じい様がにゃ。
ジャーナリストばりの、気の利いた言葉さ、こさえで、うめえこど、責任逃れをしたちゅうこっちゃ、やがな」
オラ 「んだば、シェンシェは、どう片付けるだや? 」
「うーん、歴史的な総括をするには、もう15年は、かかるべえ。
これから15年後には、はっきりと、データを添えて、簡潔なことばで、動かない結論を、導けるじゃろ。
んだども、方向は明確だべえ。
ほぼ15年前に、ベルリンの壁が崩れ、ソ連が消えた。そっつらこったあったべえや、オラや。
あん時あ、気を引きたがるおべんちゃら野郎が、言うたちゃ。
共産主義の敗北、自由主義の勝利だと。
バカな事ぞい。おイらは、あん時も、今もそう思ってない。
ソ連は、システムがまずいから、早く潰れた。西側は、少しばっか、遅れて同じく破綻するべえと、思うとった。
15年程度の早い遅いは、人類史のスケールでだばは、同時期の範囲の内よ。
第2次世界大戦後の、世界政治の秩序は、1・2の例外を除いて、、、、
これで、すべてチャラになったわけだな、オラ」
オラ 「1・2の例外たあ、何のことずらけ?」
「うーん。朝鮮半島の分断、
イスラエル建国と傍聴、
それに無条件降伏状態の60年超過による恒久化くらいだな。
数え上げれば、アジア・アフリカ・南米などに、植民地後遺症が無数にある。
ネホン衆には北海道附属4島の帰属などなど、、、
まあ、ミズーリ艦上体制の終結を、調印参加国に加えて、隣邦関係国を招集して、
協定・条約をもって、名実ともに確定させるべき、時期が到来したっちゅうことよ 」
オラ 「おう、ええ話やなあ。オラは、感激したちゃあ」
「オラ、どうしただあ?興奮ばすっとど」
「オラは、アジアにあった、旧USA植民地の住人として、ネホン州に、入国したずらよ。
留守家族も、そこに居るっちゃ、ちゅうことになっとる。
んだども、こんクニ衆が口にしたがる、1国1民族のような、妙な考えの現実は、どこさも無え。
オラのじい様は、オリンピック前後の時の、あのチベット紛争が、起きた地域の出身だべし、亡命中の王族だっちゃ 」
イヤミ発言あり 「オラは、育ちが、良えんだ」
「オラの話しば、終っておはんぞ。
大国の周辺国は、地球規模で、どこも、隣邦大国の横暴に、困っている。
それは、ニュルンベルクの秩序が、根本的に、人道・倫理に反すとるすけ。
不道徳に由来する、ルールと平和は続かんちゃ。
だすけ、EUがスタートしとる。
未だ進化途上の初期段階だが、一つの優れた理念が、
実現を果たしていることを、踏まえるべきだちゃて。
このEUの理念は、もっと早く、広く、地球全体に及ぼすべきだ。
力による支配からの離脱は、大国に隣接する小国にとっては、一日千秋なのだっちゃ 」
今日はこれまで、
オミしゃんにプー