閑人耄語抄−18ならびに19

No.18  ホワイトも  カラードのうちと  われ想う
 〔自註〕 白は、無色なのか? 無色は色でないのか?それとも色の一種なのか?コトバの遊びをするつもりは毛頭無いが、よく交通整理できそうにない。
さて、7月も半ば過ぎの今週は、USAの大統領交替から半年が経過、前大統領Wブッシュなるタイトルの映画が上映され、アポロ8号月面到達から40周年となり、22日には列島の西の方で皆既日食となるなど、、、、閑人の用無し男にして珍しく、ものを想う日々であった。
だが、動物の属性として、組込まれているDNA?プログラムのせいであろうか、冒頭の問答破綻の作とあいなった。どなたか、明快なる回答を解説付きでお示し願いたいものだ。
さて、新大統領は、周知のとおり、ハワイ生まれ初の大統領で、母が白人・父がアフリカからの留学生の間に生まれたそうである。メディアは、アメリカ初のカラード大統領であると報道している。カラードをあえて日本語に置換えると「有色の・・・」がふさわしいそうだ。混血を有色と決めつけられては寝付きが悪く眠りが浅そうで落ち着かない。
それにもう一つ、これも耳タコだが、インターネットを活用することで選挙戦に勝利したと言う。新しいメディアに上手にコミットすることが、必ずしも有利であると、果たして言えようか?
太平洋のこっちでは、来月が選挙らしいが、マンガを愛読するリーダーは、果たしてどうだろうか?
天の教え??? 『あそう、マンガはニュー・メディアとは言わないの』だそうだ。
選挙と人気とは深く繋がりが有るそうだが、ポピュリスト必ずしも優れたリーダーではない。
この種のリーダーが、人気に捕われる事で、真に為すべき事を先送りしがちだとすれば、それはリーダーの要件を則ち欠くものとなる。
すぐに思いだすのは、ケネデイである。
JFKは、ボストンの名家の出自である。アイルランドを逃出して、新大陸で一旗揚げたファミリーの末裔である。名家の子弟をボンボンと呼ぶそうだが、最近この国のリーダー(=複数語です)も、1年持たずにすぐ投げ出す例が続出だ。1年以上どころか長くやったからリーダーシップがあるとも言えない。このヨコスカのボンボンも含めて、『バカボンボン・・・・・・・』
タイトルが浮かばないので、赤塚劇場のテーマソングを唄う事にした。
脱線でした。
JFKは、任期半ばで暗殺死したから、一層人気ものとしてのイメージが残った。イメージでもって、優れたリーダーと決めつけるべきではない。
彼もまた、新しいメディアに上手にコミットした一人だった。カラーTVに赤いネクタイなる神話を残したが、いかんせん特許を取らなかったから、、、
無条件敗戦国の現代の老人議員どもも、サル色のネクタイを何とかの一つ覚えで締めるが、世に『イロ呆気(=ぼけ)爺い』ほど見苦しいものはない。
TVは、ケネデイ出馬時のニューメディアだった、間もなく世界同時ネットワークが動き出した。このTVもインターネットも電気を媒体とする点において共通であり、そしてマンガに遠い。次いでだから、新しいメディアに選ばれた最強力者をもう一人紹介しよう。1930年頃のヒトである。
この頃、人類史上最初の電気媒体によるニュー・メディアが実現した。ラジオである。そして、それを活用した者の名は、ヒットラーと言う。
音声メディアであったからこそ、演説の魔術師が選ばれたとも言えよう。
映像無し音声のみの放送で始まったニューメディア。これが20世紀人類最大の悲劇の真の原因だったかも知れない。
このニューメディアは放送と言った。放送は、当時は一方発信であった。
21世紀では、放送と通信は、共通のツールを利用するから、当然に双方向同時相互発受信できるが、極東地の果て列島国では、法律の壁があって、未だ実現していない。
対照的に隣邦の半島南半国は、既に数歩先を進み始めているとか、、、、市民が私製映像付きライブ(=実況中継)ニュースを流す事から、一挙に市民社会実現に邁進し始め、権力と結託しやすい既成メディア=TV放送局が流さないような事実を報道することが常識になっている段階らしい。既得権者天国の「カミのクニ」列島は、このまま放送と通信の壁を壊さずに、眠り続けるのだろうか?人権無視の主権在君主制を掲げる骨董愛好者同好クラブのまま、、、
さて、やっと本論だが、大統領としてのJFKがやったこと。
第1は、先に述べた月面到達だ。第2が、ヴェトナム戦争を始めた。第3は、副大統領に殺人者の友達を指名した。まあこれだけにしておこう。つまり、政治的には失策だらけである。
メディアは、華々しいビッグニュウスを欲しがる困った輩だが、いつの時代にも彼らが騒々しい時は、隠したい意図が別にあると考えるべきである。
号外を出すのは、紙数アップ=売上増ねらいも無いとは言わないが、さる筋からの依頼に応えてと考えたほうがリーズナブルである。
宇宙開発などは、その典型である。結論を急げば、軍産複合体のてこ入れでしかない。
軍とは、財政支出による史上最古かつ最大の失業対策であるとも言う、これはいつの時代もどこの国でも通用することだ。名称が自衛であろうが、オマワリくんであろうが、大差無い。犯罪予備軍を使った犯罪予防措置であると言うヒトもいる。
ケイリンやケイバやパチンコ愛好族の親玉みたいなもので、単に、より直接かつ大規模に財政が関与するから、親玉扱いするだけの事である。
さて、アポロ計画の成果だが、月の石を持帰ることで、地球惑星科学分野の知見とデータは、一定の前進を見た。
それは動かない事実だ。がしかし、やり方が実に悪い。生物・生命体に危険な宇宙空間に、人命を送る必要はまったくなかった。当時既にそして当然のことながら現在もそうだが、この程度の作業は、遠隔装置で十分にこなせるのである。無人探査の方が、持帰る月の石も数十倍多く、そして何よりもコスト的に数億分の一で済んだはずであった。
彼は、ソ連に大きく立遅れた科学水準のイメージを打消すためだけに、大ばくちの月面ショウをコストパーフォーマンス度外視でやっただけである。喜んだのは、ロケットを作る兵器産業と一介のジェット機乗りでしかない退役寸前の軍人であった。彼らが手にしたのは、高額の危険手当=サラリーだけではなかった。ただの軍人から国民的英雄に登り詰めた。国策を遂行する宇宙飛行士へ、中には連邦議会議員にまでなった例も出たから、パチプロの親玉の成れの果てと片付け難いことしきりである。
納税側としては、無駄金を使わずに減税へとストレートに進んで欲しいのだ。行政はチープガヴァメントにして、忍者のように目立たない存在であって欲しいのだ。
第2は、ヴェトナム戦争。USA史上最悪かつ最低の評価を受けた戦争を始めた大統領。もちろん、戦争にプラスの評価の要素は皆無だ。だが、マイナスランキングは厳然としてあるのだ。
イラクは、Wブッシュjrが、勝手にやりたがって早々と勝利宣言したものの、未だに撤兵が始まらない。だから勝ってないと言うのが真相かも。
事実上終結してない戦争行動は総括できないから、まだ評価すべき時期で無いとも言える。
だが、撤兵など問題じゃないとする説もある。
歴史事実として、外国駐留軍の撤兵を60年以上経っても求めない国も現にあるし、カネまで貢いで、居続けて欲しいと頼む、奇特なケースもあるから、史実は小説よりも奇なりである。
実を言うと、戦争は、休戦・停戦こそが重要なのである。開戦は、外交の失敗がもたらす一大政治決定だ。だからこそ、外交に主導権を回復させる終戦こそが大事なのである。この終戦スキームを引き間違えると、外国軍駐留が半永久化する虞れを招くことになるのである。
第3は、副大統領の指名ミスである。指名された者の氏名は、ジョンソン=LBJヴェトナム戦争を遂行つまり拡大して投げ出した大統領である。テキサス男にまともな人物を見いだす事は、海中に潜って砂金を捜すようなものであるらしい。ケネデイは副大統領の地元で襲われたのだ。副から正の大統領になるには、正の不慮の死が前提だが、不慮でなかった人物も居たに違いない。だから、副から正の大統領に昇格した中に、真のリーダーシップを持つ人物は皆無である。だが、前職=副から正の大統領に出馬して選出されたケースは、一見すると昇格グループに含められそうだが、明らかに志において別であると言えよう。ここではニクソンに言及する。ヴェトナム戦争を事実上終らせた功績は、彼にある。前任者が収拾できずに放り出した大戦争、それも負け試合を曲がりなりにも鉾を収めさせた手腕は、政治家として立派であるのだ。
だがしかし、政治手腕は、人気と結びつかない。玄人はだしは、世に受けないようだ。ニクソンは、スキャンダルが元で任期途中で退いた。USA史上最初の辞任した大統領である。そして、これがまた、政治家として、再選されたリーダーシップとして、最後までプロであり続けた例証として評価して良いと考える。
過去の歴史に立てば、オバマも期待ほどの成果をおそらく挙げられないだろう。彼のGM救出は、プライベート資本による競争原理に立つUSAの根本的社会理念を、いとも簡単にオフィシャルな資本である税金を投入することで、短時間にしてねじ曲げてしまった。これで、プライベート経済の宗家であるUSAが、官僚主動のシマグニ列島国や旧消滅ソ連と同じ代官独占計画経済体制国に成り下がってしまった。
オバマの軽率な行動力を見たとき、1929年のパニックに遭遇して何もしなかったフーヴァー大統領の偉大さを想い起こす。プライベートの経済にオフィシャルの政治から手を出さず、政経分離に徹したリーダー確たる見識を再評価したいものである。
これはまたもう一つの事件を呼び起こす。
それは、2009年に、過ぎたベルリンの壁崩壊についての再評価=人類史の書換えを迫る事態が出現したのある。
18年前USAは冷戦時代の勝者と言われた。それは今になって幻であったことになったのだ。1991年に敗者として消えて行ったソ連と同じやり方を18年後に追いかけてUSAも実行したのだ。両者とも同じ経済体制を採用した以上は、どちらも敗者であると言うべきではないか?ここに来て、人類史は書き改める必要が生じた。冷戦において、体制の違いによる勝者は存在せず、敗退の時期に18年の前後があったが、双方ともに敗退し、破綻したのである。

No.19  空はこがね   ささ音聞けば   家近し
 〔自註〕 梅雨空を見上げる心は、おぼつかないことしきりである。日本海沿岸の天候は、一日の間に何度も傘を閉じ、そして、また開く。
北と南とでは、いささか趣は異なろうが、子供心に、弁当忘れてもよし、だが傘はならんぞと、セットされたものだ。
今宵は、梅雨の晴れ間。茜色よりも黄金色にふさわしい夕焼けを、眺めつつ、徒歩で家路を辿る。これは望外の果報である。
ささの音は、稲笹に風が当たる音である。郊外風景の定番である早苗田に、なぜか常ならざる夕暮れ時の風が吹いているのだ。決まりの高温多湿がきょうは無い。なんと、この時期のそよ風の涼しいことか、、、もう我家はそこに見えて来た。興に乗って今日はもう一回り、うんやっぱり止めとこう。そう言えば、百人一首に有馬山・・・・・なる唄い出しがあった。名に負うて実った女優も健在であるらしい、、、、