2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

耄想陸行録 第14稿

* 商街路 ヘイヨウのんびり 歩かれず 〔自註〕舞台は、引続き明代古城世界遺産の街「平遥」<ピョンヤオと発音表記しておくが、アクセントが微妙な言語であるらしく表記上の限界があるもの>である。 平遥は、四辺を城郭に囲まれた城の中の街である。 一際…

閑人耄語録ーNo.58

* 水散らす 周りに褒美の 虹が立つ 〔自註〕間もなく8月も終る、気温が下がらない。生き物と共にある自家消費専業農家は、連日の水やりに疲れてしまい、どうにかしてこの苦役から逃れようと思い悩んでいる。自己破産なる都合の良い制度は、農業には無いの…

耄想陸行録 第13稿

* 目が覚めた これはブンーカだ ミンときた 〔自註〕大陸3週間の旅は、インチョンから入ってまた還った。黄河の流域をその支流も含めて往きつ戻りつしたが、未だに止揚・要約が出来ないで右往左往している。 国境観を持ちえず足の裏から毛髪の先端まで、拙…

耄想陸行録 第12稿

* 孔子廟 眼には映らぬ ピラミッド 〔自註〕孔子廟は、山東省曲阜にある。中華思想圏には、千年王国なる一つの理想的状況があると言うが、約2,500年前に生まれそして生育の地で安らかに眠ったであろう彼の住居などが、彼の子孫によって祀られているという単…

耄想陸行録 第11稿

* 文明は ムリ・無駄・きょうこう バカ尽し 〔自註〕「きょうこう」は、発音表記つまり耳感応だが、意味が多様である時は、あえてそのような文字表現を選べる。 それが日本語のユニークさの一つである。世界で最も短い詩には、あえて曖昧さを狙う技巧が備わ…

閑人耄語録ーNo.57

* 虫の音で 枕と親しむ ふりゅう人 〔自註〕老いとともに失われるのか?深まる老人力なのか?柔軟や忍耐などとの距離が増してゆくようだ。立秋はとうに過ぎたが、夏の暑さはいっこうに収まる気配がない。 例年にない暑さとかで、大都市は気候変動による大気…

耄想陸行録 第10稿

* 突然に ワープしちゃった? 異空間 〔自註〕大陸の旅は、突然思わぬことに出くわす。 バスやタクシーで移動しながら、街の景色を眺めているつもりが、ほとんど居眠り状態になっていることがある。老人性何とかシンドロームだ。 景色の激変に驚いたことが…

耄想陸行録 第9稿

* ヒト、クルマ カンバン文字など ただ溢れ 〔自註〕大陸3週間の旅から還って、4週間が経過する。時間が過ぎるとともに忘れることは多い、しかし、忘れることなく残ったものが、則ち重要なこととは、限らない。 旅のことを、よく異文化体験などとさも手際…

耄想陸行録 第8稿

* 橇に鈴? 山はいずこか 星もない 〔自註〕旅は思わぬことに出くわすものだ。予習も事前学習もしないのがワット流だ。内外を問わずである。 国内は、コトバのバリアーが無いから未だ良い。と言っても、そのバリアーは専ら眼と耳のこと、頭に行く回路が錆つ…

閑人耄語録ーNo.56

* 遠花火 おおずれもよし 我が好み 〔自註〕 夏休み、八月最初の土曜日は、花火開催の特異日のようだ。あちこちで、パーッ・ドーンを眼で耳で。 思い出にある高度成長期は、盛んであった。夜店が通りに並び、アセチレンガスの光の中を、浴衣姿の母か姉かに…

耄想陸行録ーNo.7

* バスあかん そんときゃ、あるやろ ぽっぽ、やで 〔自註〕高速バスの問題は、挙げ始めたら、紙数が足りなくなる。無数にあるものを3つに絞り込み、併せてワット流解決策を示す。 1つ、排泄は生物にとって、最高に切実な課題だ。災難事例をひとつ。高速バ…

耄想陸行録ーNo.6

* バス、パーパー 物売りピャーピャー 蓋が欲しい 〔自註〕始めに断わりです。本稿は、No.4&5の続きです。ただ、食事間近の敏感な読者に配慮して、エイリアン発見テーマはこれで終わりにしたいと思います。旅の恥は何とかなる不穏当な話柄はさておき、旅…

耄想陸行録ーNo.5

* ドクターよ ため息だけじゃあ 稼ぎ過ぎ 〔自註〕何はさておき、まずお断りですが、本稿はNo.4エイリアン発見編の続編であることをお忘れなく。 西安事件の翌週、ワット達は済南に4泊もしました。 当初の計画では、かの名高い列島国営鉄道の子会社?にあ…

耄想陸行録ーNo.4

* 大発見 内なる宇宙に エイリアン 〔自註〕これまで茫茫とただぼうぼうとラフかつアバウトに生きて、とうに還暦は過ぎた。この年齢になって自らの体内に、異なる人格の者が住んでいるとは、実にうかつにも知らなかった。 だが、その大発見を機に、ワット・…