2010-01-01から1年間の記事一覧

耄想陸行録 第13稿

* 目が覚めた これはブンーカだ ミンときた 〔自註〕大陸3週間の旅は、インチョンから入ってまた還った。黄河の流域をその支流も含めて往きつ戻りつしたが、未だに止揚・要約が出来ないで右往左往している。 国境観を持ちえず足の裏から毛髪の先端まで、拙…

耄想陸行録 第12稿

* 孔子廟 眼には映らぬ ピラミッド 〔自註〕孔子廟は、山東省曲阜にある。中華思想圏には、千年王国なる一つの理想的状況があると言うが、約2,500年前に生まれそして生育の地で安らかに眠ったであろう彼の住居などが、彼の子孫によって祀られているという単…

耄想陸行録 第11稿

* 文明は ムリ・無駄・きょうこう バカ尽し 〔自註〕「きょうこう」は、発音表記つまり耳感応だが、意味が多様である時は、あえてそのような文字表現を選べる。 それが日本語のユニークさの一つである。世界で最も短い詩には、あえて曖昧さを狙う技巧が備わ…

閑人耄語録ーNo.57

* 虫の音で 枕と親しむ ふりゅう人 〔自註〕老いとともに失われるのか?深まる老人力なのか?柔軟や忍耐などとの距離が増してゆくようだ。立秋はとうに過ぎたが、夏の暑さはいっこうに収まる気配がない。 例年にない暑さとかで、大都市は気候変動による大気…

耄想陸行録 第10稿

* 突然に ワープしちゃった? 異空間 〔自註〕大陸の旅は、突然思わぬことに出くわす。 バスやタクシーで移動しながら、街の景色を眺めているつもりが、ほとんど居眠り状態になっていることがある。老人性何とかシンドロームだ。 景色の激変に驚いたことが…

耄想陸行録 第9稿

* ヒト、クルマ カンバン文字など ただ溢れ 〔自註〕大陸3週間の旅から還って、4週間が経過する。時間が過ぎるとともに忘れることは多い、しかし、忘れることなく残ったものが、則ち重要なこととは、限らない。 旅のことを、よく異文化体験などとさも手際…

耄想陸行録 第8稿

* 橇に鈴? 山はいずこか 星もない 〔自註〕旅は思わぬことに出くわすものだ。予習も事前学習もしないのがワット流だ。内外を問わずである。 国内は、コトバのバリアーが無いから未だ良い。と言っても、そのバリアーは専ら眼と耳のこと、頭に行く回路が錆つ…

閑人耄語録ーNo.56

* 遠花火 おおずれもよし 我が好み 〔自註〕 夏休み、八月最初の土曜日は、花火開催の特異日のようだ。あちこちで、パーッ・ドーンを眼で耳で。 思い出にある高度成長期は、盛んであった。夜店が通りに並び、アセチレンガスの光の中を、浴衣姿の母か姉かに…

耄想陸行録ーNo.7

* バスあかん そんときゃ、あるやろ ぽっぽ、やで 〔自註〕高速バスの問題は、挙げ始めたら、紙数が足りなくなる。無数にあるものを3つに絞り込み、併せてワット流解決策を示す。 1つ、排泄は生物にとって、最高に切実な課題だ。災難事例をひとつ。高速バ…

耄想陸行録ーNo.6

* バス、パーパー 物売りピャーピャー 蓋が欲しい 〔自註〕始めに断わりです。本稿は、No.4&5の続きです。ただ、食事間近の敏感な読者に配慮して、エイリアン発見テーマはこれで終わりにしたいと思います。旅の恥は何とかなる不穏当な話柄はさておき、旅…

耄想陸行録ーNo.5

* ドクターよ ため息だけじゃあ 稼ぎ過ぎ 〔自註〕何はさておき、まずお断りですが、本稿はNo.4エイリアン発見編の続編であることをお忘れなく。 西安事件の翌週、ワット達は済南に4泊もしました。 当初の計画では、かの名高い列島国営鉄道の子会社?にあ…

耄想陸行録ーNo.4

* 大発見 内なる宇宙に エイリアン 〔自註〕これまで茫茫とただぼうぼうとラフかつアバウトに生きて、とうに還暦は過ぎた。この年齢になって自らの体内に、異なる人格の者が住んでいるとは、実にうかつにも知らなかった。 だが、その大発見を機に、ワット・…

耄想陸行録ーNo.3

* 朝、みどり 青空、白雲 さわやかさ 〔自註〕モンスーン大陸の旅で考えさせられたことは、数々ある。遠景と回想の中にあるものは、順次取上げることにしたい。 この句で、筆者があって欲しいとの想いに対して、大陸が応えてくれなかったものを、羅列してみ…

耄想陸行録ーNo.2

* まずシャワー 次にスイカで 救われる 〔自註〕旅を終えて還って来た時の感懐として、第一に浮んだものを定型の中に押込んだ。旅に出る時の動機なるものが、何であったか?そんなものは無かったように思うが、、、憶い出せば、答に窮してコトバにしたこと…

耄想陸行録 シリーズ第1稿

* 秘めてあるか 探しに行かん 花ごころ 〔自註〕 今日から新しいシリーズを立ち上げることとした。シリーズのタイトル『耄想陸行録』因みに詠みは「もうそうろっこうろく」とした背景を手短に述べる。 まず、閑人耄語録との関係だが、従来からあるシリーズ…

閑人耄語録ーNo.54&55

*第54句 とがし丘 ウラシマダロウ 仰ぎ見る&第55句 倶利伽藍を 六十路を超えて またも越ゆ〔自註〕 富樫丘陵は、金沢市から南の方に見える小高い山並みであり、倶利伽藍峠もまた、金沢市からごく近い、ともに北陸の地名である。 前者は、一向一揆による守…

第53句 オタクサは  涙の色ぞ  つゆに咲く

〔自註〕 オタクサは、梅雨時に咲くアジサイのことである。命名者は、シーボルト<1796〜1866。P.F.von Siebold>と言われる。 ドイツの医学者、博物学者として著書に「日本」「日本動物志」「日本植物志」がある。1823年にはオランダ商館付の医師として来日…

KankyoーNo.22

*プラスチックを考えるの続編ー第22稿 前稿では、プラスチック=化学合成素材とは何ぞや?なる課題を設定し、結末に至らないまま中断した。 本稿は、その続編である。 プラスチックは、種類豊富、栄枯盛衰が煩雑、誕生をめぐる暗い過去などなど、そして、地…

第52句 月は高雄 おいに追われし 飛ぶホタル

〔自註〕 ホタルは舞台俳優だ。 多くの人が、列島最果ての島に、そこはもうほとんど台湾らしいが、「足」下(あしもと)の不自由と、高額な「お足」の支出をも厭わず出かけると聞く。 モリシゲやモリミツに並ぶ名優で、名前もこなたがヘイケ、方やゲンジと言…

KankyoーNo.21

*プラスチック問題を考えるー第21稿 身の廻りの不都合を考えるシリーズの初稿には、実はプラスチックは掲げられてなかった、執筆開始から半年の間に追加されることとなった。 背景は生活場面にある。 自活のための自家消費農業を始めて、2、3年が経過する…

KankyoーNo.20

*気候変動について考える–第20稿 身の廻りに起る不都合について考えるシリーズの第19番目のテーマは、気候変動である。 気候変動については、ほとんどの人が何らかの違和感なり、不満なりを感じているのではなかろうか? だが、筆者にこのテーマと伐り結ぶ…

閑人耄語抄No.51

*No.51 名にたがい 姿はやさし ヤマボウシ 〔自註〕 街路樹は、ハナミズキ、サルスベリ、そしてヤマボウシが多いように感じる。体感的印象に過ぎないが、街路樹がすべて花とは限らないかも、、、 こうやって名前を並べてみておやと思った、発音してみて、い…

地震・ツナミを考えるの続編ー第19稿

身の廻りに起る不都合について述べる。前稿に続いて、第16番目のテーマとしての地震それに津波について触れる。 拙宅では、6月は地震の月とするのが家典である。 地震を体験したことで、非常に備える戒めとし、地震の元である地殻プレートの出発点、則ち…

KankyoーNo.18

*地震・ツナミを考えるー第18稿 身の廻りに起る不都合について考えてきたが、第16番目のテーマは地震である、併せて津波も取上げる。 世の中にはよく判らない事が多々ある、判らない事や突然に起る事ほど恐ろしいものはない、その点で地震や津波が筆者に…

KankyoーNo.17

*日照り・洪水を考えるー第17稿 このタイトルで書き始めたのは、この年が明けてからで間もなく半年が経過する。月のうちにきり良く20回で終稿したいと考えている。 初稿起筆の時、頭に浮かんだ身の廻りに起る不都合を一括して掲げ、各分節のテーマに置き…

閑人耄語抄No.50

*No.50 六月よ 風の皐月を 懐かしむ 〔自註〕 今日から六月である。衣替えの日である、新暦・旧暦の違いとか、南北に長い列島での緯度と標高の差による地域差は大事だが、メディア流儀に乗れば、今日から夏である。 句の意図するものは、要するに春が無いと…

KankyoーNo.16

*放射線を考えるー第16稿 身の回りにある不都合を環境の問題と捕え、初稿でテーマを列挙し、第2稿以下で各テーマについて思いつくことを論じてきている。 本稿では、放射線洩れを取上げる。 放射能、宇宙線、電磁線、太陽風など、コトバは異なるが、いずれ…

閑人耄語抄No.49

*No.49 雨ウツギ 身にしむ寒気 うつ気分 〔自註〕 ウツギの花が咲いている、今日は氷雨に打たれたなあと回顧している。時季外れの文字使いだが、実感において氷雨を連想する寒さであった。雨にウツギと言うのもミスマッチだと思うが、実景だからやむを得な…

閑人耄語抄No.48

*No.48 シャクヤクの 花の下にて 休みたし 〔自註〕 庭のシャクヤクが咲こうとしている。花と口で言うよりも華と毛筆で書いた方がぴったりする雰囲気の豪勢な花姿である。漢字では芍薬とあるから、薬効もあるに違いない。 昨今の気象事情を考慮せず想念の中…

閑人耄語抄No.47

*No.47 ばら咲きぬ ガラスの靴を 想いけり 〔自註〕ばらは5月の半ばの今頃咲く花だ、色、形とバラエティーに富む花だ。これは音が偶然重なったようだ。 外来種であると漠然と理解しているが、あじさいの例もあるから決めかねる。薔薇とも書くから、東洋圏…