閑人耄語抄No.47

*No.47 ばら咲きぬ  ガラスの靴を  想いけり
〔自註〕ばらは5月の半ばの今頃咲く花だ、色、形とバラエティーに富む花だ。これは音が偶然重なったようだ。
外来種であると漠然と理解しているが、あじさいの例もあるから決めかねる。薔薇とも書くから、東洋圏由来の外来種かも?否、やはり、西洋であろう。
シンデレラの靴はガラス製だが、果たしてどんな色だったろうか?
無色の可能性があるが、この場合クリアークリスタルな無色透明なものではなかったのではないか、、、
それは漠然とした想定だが、無色透明なガラスを造り出す技術が実現したのは、ごく最近の事と思い込みたい。
まあ要するに、バラを眼の前にして連想したのは、赤い一色のヴェネチアングラス、向こうが透けて見える靴であった。
ヴェニスには、未だ行ったことがないから、ヴェネチアングラスのイメージは、その昔見た映画の中のワイングラスの記憶であろう。
ところで蛇足だが、バラの多様性は、おそらく最大級であろうか、しかし、その多様性は人間が長い間、多数関与して、見栄を張り、自慢話のタネにしようとして、言わばこてこてにいじくり回した結果もしくは中間ラップである。
このことは、生物として同じ子孫コピーシステムを持ちながら、植物には動物が有する自己免疫機能が欠けているか、働らきが弱いためであろうか。
そして今ひとつ、バラのような多様性は、生物本来の種族維持機能としての多様性とは、相容れない性質のものであろうと思う。