閑人耄語録ーNo.63

* 形・いろ  キキョウは花の  王子サマ
〔自註〕星形に濃紫<こむらさき>色の花を見て、星の王子サマを想った。
桔梗の字を宛てるが、俄にその謂れは思い出せない。当てにならないが、字面からおよそ男児を連想した。既成のイメージに捕らわれやすい軟弱な詩想でしかない。
序でに男女バランスを考えることにしよう、、、、
リンドウは女であると想いこむようになっているが、それはきっと「馬の背に乗って峠を越え、嫁いで行く姉との別れを嘆いた」島倉千代子の詠唱に由来するようだ。
蛇足ながら、紫色が高貴とされる謂れを、型通りになぞっておく。
中華文化圏では「禁色<きんじき>」の一とされ、地中海文化圏でも色素原料である「カイムラサキ」の希少性と入手の困難性から格別高価な素材であったと伝え聞くが、いずれも近代化学工業(ここでは染料。他に主として農薬、肥料、医薬品などを製造する)が興る以前の事、つまり人類が技術に過度に依存する生き方に傾く以前の時代の事である。