サイト君 第58話

今日も政治・経済・社会3界紹介論の番外編である。サイト君の故国サンクでは、主に食・衣・住などの取引に使われるローカン地域通貨があること。それは資本化しない貨幣で、1国2通貨制が採用されていると紹介した。
前2者はさておき、住居の購入は高額であり銀行借入への依存もあり地域通貨で縛るのは無理。と多くのメゲーヌ人から疑問の声が挙がるんじゃない?言葉を遮ってサイト君、余裕の微笑をもって答える。
メゲーヌの常識は世界の非常識なんでしたね、、、土地も建物も借りる。それがサンクの常識ですから、食・衣・住ともほぼ同レベル額で入手できますよ。
そう言うとメゲーヌ人は、国有制だと速やかに誤解して嫌悪の情を催すよね。正確な事実は国民総有資産のレンタル利用だ、土地の私有は何人にも開かれていない、そもそも国の主は国民であるとの認識が定着している。
建物も正確に言えば、住宅資材をレンタルして自分で組立てる人が多い。住宅の仕様は各ローカン毎に基本3〜5種類の標準パターンがあって、新品資材も中古資材も殆ど値段差がない。
それは定型・大量・実需の3要素が備わるからスケール・メリットが働くためだ。サンクの見込生産が少ない健全型経済は、現実コストを補って十分に低額であり、完全なフェア・トレードが行われている。
価格設定を無理に安くして財政赤字を招くような、政治お手盛りパーフォーマンスとは無関係の健康で文化的な市民生活が営まれている。
科学統理主義に貫かれた共和制コミューンとは、そんな当たり前のことが普通に実現する社会なんだよ。
今日はこれまでとします