サイト君 第55話

サンク国では政治・経済・社会の3界を明確に区分し互いの間に隔壁を設けたことで、オープンかつクリアーなコミューンが形成され、フェアで明るい雰囲気になったとサイト君は言う。このテーマは第41話から始まり  42 話  政治界
    43〜54  経済界 と紹介してきた。
隣国メゲーヌのそれと比較しつつ語る、彼の論点の簡略紹介を心がけ、今日社会界がスタートする。
社会界とは、ありとあらゆる人の集まりである。隣国メゲーヌに例をとると、小は向こう3軒両隣の6人組から、法でもって結成を義務付けられている同業者団体の医師会や弁護士会、準拠法がある中小規模企業家による同業・異業種をもって結成する事業組合、労働3法に基づく労働組合、消費者が結成する消費組合などなど千差万別入り乱れている。
その性格もまた、単に同好の趣味を持つ親睦会から政治圧力団体まで色々である。権力者に格別の援助提供を申し出て、それを見合に格別の公的サービスを特権的に享受しようと画策する例が最も多く見られる。
そこに大戦敗北にも係わらず消えなかったメゲーヌ君主制に根ざす封建的残滓=前近代的不公正がある。
抜駆けや機会不均等をアンフェアと考えないルーズな国民性が、厚顔無恥に堂々発露している。
官製密室談合は財政支出による土木建設事業にまやかし語の「公共」を冠しネーミングで欺いて、公金横領を常態化するあの業界だけの専売特許とは限らない。
法務省厚生労働省が管轄する資格試験を始めとして、公的何やら?と自称する資格は、掃いて捨てるほどゴマンとある。
政官界と結託して特定分野のサービスを排他的に独占する特権を得るなど、まるで中世マエストロ制度そのものの古色蒼然。それが今日のメゲーヌだ。
明日に続きます