サイト君 第66話

サイト君の故国サンク連合国は、座標軸が北緯40°東経135°である。日本海のど真ん中。秋田県男鹿半島先端にある入道崎西方400キロの海中だ。
しかも、この連載は3月11日に先立つ9日に始まり、沈むの過去分詞が国名と通ずるから、偶然の一致にしても不気味である。
サイト流では公権力の行使に当り、事前説明と話合い・提案後補正がよく行われ、プロセスがオープン&クリアークリーンであれば民主的人権社会で、逆に国が沈む主な原因は内部分裂と内こう<こうの字は言扁に旁を工と書く>にあり、その点メゲーヌでは行政府による堕落した執行振りが目立つと言う。
さて、地デジ化への移行が、残り1ヶ月を切ったとメディアは喧しい。今のところ世の中は平穏、メゲーヌのガバナンスを物語るよう。だが、7月24日以降批判の嵐が猛然と起きないか?その矛先はどこに向うだろうか?その頃手持TV受像機は役立たず・ただの黒箱だ。ジャスミン革命=中近東ほどの主権者覚醒は無いメゲーヌだから無風と見る方が有力かもね、、
たしかに電波は有限。イノヴェーションによる脱皮は必要である。だが、アナ→デジ変換は、チップ1枚の追加or交換ですんだはずだ。そしてそのチップを全世帯に無償配布する配慮をすべきだった。税金で臨時に雇われた若者が戸別訪問して無償取付する。たかが1〜2年程度の短期雇用でも失業対策でショート・ロングの贅沢を言える状況にない。一定の雇用カンフル効果がある以上やるべし。この程度の僅かさでも受信側に施せば、事業者側への手厚い国費助成策とのバランスが幾分保てたはずだった。だが、政官は実際は逆をやった。国民にデジタル受像機を買わせて景気刺激を謀った。国民の犠牲のもとに家電業界を太らせた。
送信側にも手厚かった。それは送信機器のアナ→デジ交換費用を税金で助成したこと。県ごとに民放各局が多数重複し過剰かつ乱立である。電波の有限制約と有効活用からも100年に1度の整理統合のチャンスであった。が政官は何もせず、お手盛りで支えて、既得権益を更に強固にしてしまった。
本来民放は自由経済の精神に則り全額自己負担で設備更新すべきで、耐えられない弱者は淘汰される。その仕組に反した政官の財政出動は実に筋違いだ。
成った政権交替は、前政権が事業者偏重=国民偏軽を進め長期固定した歪みをただす意味もあった。
アイゼンハワー退任演説の軍産複合体は、ボウ国でなくメゲーヌの土建業・医療介護などの保険事業・放送通信業などの政官財界癒着をさしていたようだ。
そういうことを恥じる事無く当然のごとく堂々と行い、それを主権者が唯々諾々と黙認する社会の姿。
それが則ち悪い政治=低いガバナンスだ。とサイト君は語った。