サイト君 第30話

サンク連合国の市民であるサイト君は、約45年前から隣国メゲーヌで働いている。
今ではだいぶ慣れたが、時々滞在当初の頃を思い出して語ることがある。
今日は、銀座の話だとか、、、、
まずこの繁華街は東京のシンボル的名所。世界的にも高名な商業集積であるは今更耳うるさいのだが、かの地が埋立地であることを覚えている人は少ない。
その埋立の時期だが、意外に新しく明治以後である。
次に、埋立地は列島のあちこちに矢鱈あるので格別珍しくなく、メゲーヌ人はすぐにそのことを忘れる。
第3に、この列島に地震が多いのは、フィリピン・太平洋・北アメリカ・ユーラシアと4つの巨大プレートが集まるからで。世界でも珍しい地殻変動力の集中ゾーンつまり災害銀座の上にあること。
第4で最後とするが、埋立地が地盤安定するのは、実は現代の科学をもってしてもよく判らないらしく、関西(大坂)・神戸・名古屋など埋立建設した洋上空港の試算例では、500〜750年くらいの長期間でも安定しないとする技術レポートがあること。
サイト君が驚いた事。これだけ地震が多いのにメゲーヌ人は殆ど騒がずたじろがず、既定の開発路線を見直さない。そのことに呆れ、しかも、松代でも神戸でも栃木でも、地震とは則ち悉く速やかにあたかも定番の如く”天災”と決めつけることに疑いを持っているとか。
コトバの使い方がいい加減で拙速過ぎると言うのだが、
今日はこれまでとします