サイト君 第19話

サイト君が第17話で税の話をした時、固定資産税が無い事について疑問に思っていたので少し突っ込んでみた。
なんと”話は長く屁は臭く”そのもの、猛然と語るのだが、ここではその要約を紹介する。
”サンク憲法”に『自然を構成するあらゆるものを私的所有としてはならない』と定めてある。所有は一般に使用・収益・処分の3つに分かれる。
サンクの地域市民がまずもって欲求する自然は、住居用の土地である。そこで地域行政府であるローカンは、市民に対して土地の占有(使用と収益のみができる)を認める。
当然に有期賃貸であり、地区も面積もローカンの住民の総意をもって予め決められ公示されている。
いささか詳細だが、公示の中身を説明しよう。
地区・面積・賃料・借上げ期限の4つが公示される。
それは住む地にこだわる人に対する情報提供である。
そこで話題を2つ、まずは競争入札のこと。
人気の高い好適住居地は、現行借上げ期限到来の1年前から借上げ申込の受付(現占有者の延長更新を含む)が始まり、複数応募をもって競争入札となる。落札内容が判明するのは,当該借上げの公示が更新された後である。賃料・借上げ期限の内容は公示により、公示にない個人情報は住む人の顔と表札に頼るしかない。因みに借上げ期限は、賃料の多寡とリンクすることもあり有期可変的だが、占有者(2名連記までの制限あり)の死去をもって終了するから相続の対象とならない占有物だ。なお、賃料の支払は落札確定時の一括一時払となっている。
もう1つの話題は、住居建設に関する規制である。
家の外観と形式もまたローカンの住民の総意をもって予め決められ公示されている。公示された家とは土地を恒久的に変更をさせない建築=解体・搬送・再組立が容易な建造物を指し、幾つかのパターンから選ぶことができる。
ここまで読めば、もうお判りでしょう。
土地の賃料は入札を除けば限りなく無料に近く、家の建築費も定型・標準スタイルに従えば事実上無コストなのだ。何故そうなるか?それは、素人でも組立できる事、建築素材の価格は新品と中古品の隔差がほぼ無い事、どれも定型・標準の効能だ。
今日はこれまでとします