いかり肩ホネ五郎の病床寝惚け話No.14

この夏はどうにか過ぎた。
暦の上での夏は、ふつう6・7・8の3ヵ月である。
もう9月だから、もう秋である。
遡ってみたら、8月中この稿を全く執筆しなかった。
何故か?回顧して背景が判った。
ブロイラー・ハウスの住人がダニ族であることが判明するまで、執筆意欲が殺がれたからだ。
人生を70年以上やっているが、ひと月のうちに、異なる皮膚科を2度受診したのは、吾が生涯をもってして、初めての珍事であった。
全身が満身創痍となる悲惨さを想像されたい。
関東圏の住人は、毎日の雨に辟易したと聴いたが、これもまた異常の事態ではある。
彼の地のO-157の発生なども、吾がダニ事件と大同小異の状況であろうか?
でもダニで、生命を盗られる事は無いかも。でも正気は失う事態だった。それが証拠に、この稿の執筆が1ヵ月飛んでしまった。
原因の特定に悩んだし、医師の判定を受けて、ほぼ原因が決まっても、それに対応した対策まではドクターの守備範囲ではなく。まさに吾が事なので、実は今だ対策は完了しておらず、ジプシー暮らしをしている。
対策なるアクションには費用支弁の課題が伴うため、資金計画と発注行動が必要だからだ。
年内に対策が完了し、来夏に再発しないことを確認したら、ジプシーの漂白生活を打ち切りたいものである。
当面の願望としては、一日も早い自室での就寝に復帰することを目ざし、ジプシーの流浪生活から脱出したいのだが。その前提たる簡易組み立て式木製ハンモックが入手できる事如何である。
ネックは、おそらく木製にあって。注文生産となると,製作者との遭遇や予算交渉が大きな課題となろう。
さて、ほぼ1ヵ月の原因探求をめぐるダッチロールを詳細に論じてみよう
 ◎ 昨年9月に今の住まいに移って来た。よって、現居室での本格的夏は初めてだ。
 ◎ 旧居は木造一戸建てに対し、現室はブロイラー・ハウス。
     世の人が言う中古マンションだが、コンクリート外壁の気密度は、築
     25年経過といえ、比較にならず高い。しかも高熱密室だ
 ◎ 旧居では6畳間に簡易の木製ベッド1個を置いて寝ていたのに対し、現室は間取りの都合もあって、ベッドの周囲に蔵書を胸高くらいに積んどくだ。本はダニの住まいだと聞く
 ◎ この夏は,北陸もまた他の例にならって,雨がちであった。
 ◎ 更に加えて,運悪く。医療用酸素の供給業者を切替えた。
     従来は、酸素濃縮型のため、運転中の騒音を嫌って,遠く廊下に置き、
     延長パイプにより自室で酸素吸入を受けながら睡眠をとった。
     この8月の始めから、液体酸素型を採用したが、延長パイプの長さ制限
     もあって、自室のベッドサイドに置いた。
     この酸素発生機は、約70kgの重さがあり、ラグビー用のサンドバッグく
     らいに図体が大きい。
     その器材が供用開始以前に、どのような環境に置かれているか?迂闊に
     も想像しなかった。こっちの原因追求・究明には制約があるが、工場内
     においてそのままそこで就寝する事例は少ない事であろう
 ◎ 病状だが。変化ないが、採血データは少し悪化傾向。
     この8月の始め頃に、内服薬が変った。
     それに伴う副作用。格別の説明無く,何かあったら顔を出せのご託宣。
 ◎ 皮膚に赤い斑点があちこち、痒くて耐えられない。そこで、付近の開業医・皮膚科へ。
     ダニなどの医動物に喰われたか・食物アレルギーか・薬疹か??
     初診患者に接しての無難な決まり文句らしいご託宣。
     もらった塗りクスリは、ほぼ効果なし
 ◎ 素人の看たてでも、上半身と下半身とでは、斑点のデザインが異なってみえた。
     数年前にも抗ガン剤の副作用があった。あまり正直な性格ではないが、
     持たされた副読本の記載例にある副作用が網羅して全部発症した。
     その中でも上半身の痒さを訴えた赤い斑点は、当時の皮膚科医が帯状疱
     疹と判定した。入院加療となったが、この女医とは仲違いして翌日退院
     した。そのまま放置したが、何事も無かった。
 ◎ その後の経過を見たが、症状も主訴も収まらないので。主治医を訪ねた。
     性格上、緊急外来扱いだが、運悪く主治医は不在。
     泌尿器科の代行医師は、皮膚科に判定を委ねた。
     右体側の後面に、手の掌に匹敵する大きさの赤い斑点=6つくらい噴火
     口が集積していた。帯状疱疹らしくもあったが、これの発症は生涯
     1度きりとかで、原因はダニとされた。こっちの塗クスリは効いた。
ここまで書いてきて,やや大仰だが。未だダッチロールの前半である。
まだ対策は未着手である。
対策のためのお宝の支出は慎重であらねばならない。
若い時に買い揃えた蔵書を運び出す作業は,老体に応える。
1年前の転居の際は、マイカーを10回ほど駆使して約500冊ほど払い下げたが、それを再現するつもりだ。その後でも身の回りにまだ2000冊くらい残るであろう。
この秋かけて、ジプシー暮らしを打切り・自室に復帰するブーメラン作戦を敢行することとしよう