泉流No.114  わか山・行

* 和歌山の  わかば大楠  フェニックス
[駄足] 先週は、急遽思い立って和歌山県に滞在した。
変則サミットに参加するためであって、旧友2人に約1年ぶりに面談することが成就したわけだから、主旨はおおいに達成された。
因に変則の意味だが、ラウンドテーブルに同時一緒に会同することが無かった点にある。
主な滞在先は、熊野地域であった。世界遺産は、人を惹きつける要素があるものらしい。別に昨今の富士山指定報道と結びつけての訪問ではない。
彼の地へは初めての訪問であったし、その地がすこぶる特異な奥地であったこともあり、かなり誤解を披瀝しかねない不安があるので、概要の紹介は近い将来緩やかに行いたいと考えている。
句が産まれた背景は筆者固有の事情=東北生まれ=にあるかもしれない。
仮に南国生まれの人であったら格別の体験とは言えまい。
とにかくも、彼の地の山並み。遠望した山系の印象は、極めて珍しい光景であった。
その昔、耳学問か?読書で得た知見であろうか?所謂・照葉樹林とは、あのような比較的色々な色要素が混じり合った山並みを呈するのであろうか?
野も山も、大きな楠の樹に満たされている景観そのものが珍しかった。
更に、紀伊半島の南はじ=即ち本州最南端の地・串本を目ざすうちに、これまた北国には珍しい樹木=フェニックスを、あちこちで目にした。
僅か17文字のうちにWAKAとKUSUとが、ダブル発声することになった。
オークスとは無関係であることは言うまでもない。
[駄足の蛇足]
1泊を太地町で過ごした。
予備知識なしで、まず現地に踏込む。これが旅の楽しみである。
「たいち」となった理由・背景を地元の人に尋ねるも、はかばかしい答えは帰って来なかった。
よって、オラ得意のデタラメNHK放送で放言しておこう。
大地の転訛に由来する地名であろう・・・・
これが、キャプテン・クックの乗船であったら、一声”LAND”と大きく発するのであろう。
長い海原続きの航海のアト、乗組員待望の陸地を発見。その感激は,帆船時代に未知の大洋を探検目的で航海した者だけが知る体験。理解も想像もまた動力船時代の現代人には無理であろう。
もしそれが半分漂流状態下での”LAND”第一発見であれば、上陸実現後に船長から格別ボーナスが下されたのではないだろうか?
因に、太地町(たいちまち)の名物は、クジラである。
さすがに鯨の方からやって来る事は、遥かな昔の思い出となってしまっているが、、、、
鯨博物館が備わるなど、ユニークな歴史を持つ港町である。
もちろん、早朝の漁港を見学した。
クジラではないが、シイラらしい大型魚が上がった。船主らしい親爺さんが、ケータイ電話を耳から離す隙もなく忙しく、しかし終始にこやかであった。
さて町内で入手した観光地図によれば、漂流人記念碑とか吉備真備漂着記念碑などの記載がある。
岬や湾が多々ある。燈明崎にはその名のとおり、夜を徹して篝火を置いたそうである。
さすれば、黒潮洗う熊野灘の中でも格別海流が接近する特異な位置に町はあるらしい。