泉流No.111〜3 さくら花

*1 さくら仰ぐ  こしかた・ゆくすえ  思念なし
*2 星は廻る  あまねく・ひろく  花に遭う
*3 土に生まれ  サクラ咲く・散る  また還る
〔駄足〕 身の回りに限れば、遠望すると花はまだ終わってない。
この花時は、3月の終わり頃に咲き初めとなり、いつの間にか散り初めても、未だ多くの花びらが留まっている。
この間、連日のように雨が降り、大風が舞い。我身の周りでは、アラレに驚かされた事が一度ならずであった。
よく耐えたものである。
聞き馴れた言葉だが、人またさいさい・花もまたさいさいであった。
さて、「さいさい」にどんな漢字を充てるか?迷う。  花は彩・彩か?
サクラを見つつ想う事が無いと言えば、無いとも有るとも言い切れない。
列島の中を長いこと転石のごとく漂白して、人生のほぼ半分を過ごして来た。
土地の水に合う事も,そうでない事もあった。
そしてある時期、友人たちと車を連ねて、花を追求めて彷徨うこともした。
求めて遠出したサクラ探訪は、空振り大三振に終わる事が多かった。
それほど、出逢いは難しかった。  天また人を選ぶのであろう。
たしか、古詩に「・・・・ 3日見ぬ間の 桜かな・・・・」と詠うらしい、
まさしく毎春が、一期一会であろう。
○ こしかた・・・我が身の過去を懐古的に言う言葉として使うが、語るべきモノ皆無。
ここで脱線調。盛岡に「こずかた」なる名の城がある。詩的情緒に溢れた町も城跡も好ましく、訪問回数も2桁になんなんとする。
「こずかた」に、どんな文字を充てるか?「こずかた」の意味は何か?  
未だに落着しないまま、もう何十年も過ぎた。仮に「不来方」と充てられても、意味がとれない。どなたか教えてもらいたいもの、、、、
まさか、こずかたに聞こえるが実はこしかたなのではないよね
○ ゆくすえ・・・前語との対比から、我が身の未来として並べたが、60台も後半を折返す年齢となった今日、格別の将来への希望も確たる予定もまた無い。極く短い近未来に「末」の時が迫っているような気がする
○ 土に生まれ。また土に還る。それが地球の摂理=万物循環だが、ガーデニング・ファーマーなどと称して、百姓の真似事などに手を染めてから、そのことが漸くハラで解る気がしてきた。鈍な我が心境は60の手習いに少し近い
〔駄足の蛇足〕
視点はずれる。
切り花の日持ちは、室内の気温に反比例するようだ。今の時代は、貿易と航空輸送の時代に加えて、温室栽培が盛んだから、見た事も無い・名も知らぬ花が溢れかえるほどだ。
そして、花は年がら年じゅうあることで、見てくれの豊かさを謳歌している時勢となった。冬の花の方が、夏の頃よりも、概ね長持ちするようだ。まさに気温が低い方が「保ち」がよいようだ。
さて、想わぬ脱線で、生の木花に対して、そんな”素人屁理屈”通る筈も無い。
このところ、地球が寒冷化に向かっている。地震津波などの所謂天変地異の増加?傾向も宇宙に関連した事象である。などと、よくは解らないが・・・・・サクラの「保ち」に繋がるような話題に接した。
更にずれて広がる。
太陽の黒点活動が低下しているらしい。近代西洋天文学は、ガリレオに始まる観測機器の導入で、この400年間で長足の進歩を見た。
東洋にも、中国古代に始まる華夷思想儒教思想の根底に、天文観測による天命の観念など。長い歴史を持つ東洋固有の天文学が存在する。
陰陽師安倍晴明なども、確固たる星に関する知識と日々の観測を踏まえての,言わば予言的発言であったから?時々に復活し、そして忘れ去られることの繰り返しであったようだ。
日本が射ち上げた太陽観測衛星=「ひので』は、地表の観測とは格段に異なる新知見をもたらしているのだが、黒点の意味することが着実に想定の範囲に収まることにも寄与したらしい。
考古や建築史に年輪年代学なるものがあり、黒点活動の山と谷は、11年サイクルであることが知られている。
ところが、直近期のそれが、12・6年となった。ガリレオ以来400年の観測実績のうち、この200年ぶりのズレなのだそうだ。地球規模の寒冷化が始まることの予兆であるかもしれない。
手元に年表をお持ちの方は、1800年頃を挟んでの前後50〜60年の間に、どんな事件があったか調べてみましょう。
寒冷または小氷期つまり農業不振の時期に当たる筈です。農業生産の不良は食料危機ですから、社会秩序の激動期でもあります。人はひもじいと騒ぎだす存在なのでしょう。
さて、黒点は太陽が発散する熱量のバロメーターであると、短絡的に解釈するとしたら。それは誤りです。
黒点は、太陽の磁場変動に比例して増減する現象であって、今のところ発散する熱量は、ほとんど変動が無く、科学者の長年の観測データによれば、太陽熱量の変動幅は、長い年月に亘って0・01%での上下幅しかない。
つまりほぼ一定であることが判っています。
でも、黒点活動の衰退した1650頃から1700年頃までの前後60〜70年間は、マウンダー極小期と呼ばれて、地球は寒冷だったことが知られています。
その背景については、まだ仮説段階ですが、、、こうです。
太陽の磁場が衰えると、太陽が放射する放射線量=太陽風が減少します。太陽風は、両極のオーロラ発生のメカニズムを構成するように、地球をすっぽり包んでいて、太陽系の末端まで達するエネルギー潮流です。
それが減少すると、地球を包むバリアーが後退するので、太陽系の外から地球上に降り注ぐ宇宙線(=これもエネルギーの束です)の量が増える事態を招きます。
そうなると、宇宙線と地球の大気がぶつかる事態が増大して、雲の発生量が増える。
雲は日射を遮る・雨を増やす・雪も増える。そして気温が低下する。そして雪解けが遅れる=寒冷化となる。これが黒点後退期と寒冷気象との間にまたがる或る仮説です。
過去での農業不振期は、混乱・激動期である。サクラの散り際が一斉かつ同時なるを武士に例えて、称揚するような時代が再来しないことを祈りたい。
食料自給率を100%超に引上げて、貿易自由化&長距離輸送に依存しない自立型社会を実現する。そのことが真の意味の平和の確立となろう。
それにしても黒点減衰は、木花の日保ちをよくしているのだろうか?
<注>=黒点活動についての記述は、2013.2.23日付の北陸中日新聞の記事を参考にしております