にっかん考現学No.49

新暦の昨年暮れ,列島と韓半島=一胞帯水(いちいたいすい)を挟んだ両国の双方で、ほぼ同時に首班交替があった。本稿は、その続稿。首班交代編の第7稿である。
さて、ここから下は、実は表題の日付=03-03ではなく。後段の数値が転倒した03-30に書いている。
その事情背景を詮索する御仁は、おそらくいらっしゃらないと想うが。概述すれば、農園従事作家の常としておこう。戸外作業の多い第1次産業型肉体労働は、どうしても天候に影響されがち。つまり、この冬は早く春になり、例年になく畠仕事にのめり込んだのであった。
さて、今日の論稿は、日韓両国における選挙環境の一考察・・・ネット選挙解放とは?・・・である。
ネット選挙と一口に言うが、細かい話=2つに区別される。
  #1、 ネットを通じて行う投票行動
  #2、 ネットを利用しての選挙運動
韓国は、#1が不採用、#2を既に解禁している。
列島は、1も2も禁止である。
さて#1を採用した場合の最大のメリットは、投票用紙が不要→開票=分類し集計する作業が消滅→役人の時間外勤務が消えて財政節約の効果となる。
予想されるデメリットは、サイバー攻撃である。
昨今、頻発している。火元は中国やら北朝鮮やらと噂されるが、#1に踏込む事で混乱を招く事態が危ぶまれる。
ここで早速の脱線だが、このネット環境へのサイバー攻撃つまりコンピューターによる業務処理を妨害する行為は、単に卑劣きわまりないばかりでない。攻撃された当該企業の経済活動を害する事はもちろん、そのサービスに連なる一般市民に与える間接被害も甚大である。
そのことを捉え第5次世界大戦が、始まりつつあるとの認識も一部にある。
かつての冷戦構造を第3次、21世紀初めのテロ攻撃の複雑・常態化を第4次と考えれば、第2次大戦での無差別空襲による”戦場概念の喪失”以来、銃後市民社会を巻込むことが当たり前になってしまっている現代の戦争では、ヴァーチャル空間もまた新しい戦場空間であると言えよう。コンピューターと通信ネットの組合せによる業務処理は、出現して間もない新世界だが。確実に既存の人間依存の業務処理分野を変質させ・解体させて、旧来の常識に反する低賃金労働と大量の構造的失業とを創出している。今や単なる経済の問題でなく、社会混乱をも招来しており、最重要な課題として対処すべき社会の病巣と捉えるべきだが、、、サイバー攻撃=コンピューターと通信ネットの組合せに内在する根本的欠陥または導入後日が浅く未だ認識されざる技術的欠損に由来するトラブルと捉えれば。#1の採用は、遠い未来においてもあり得ない事態=それが正解である。かもしれない。
続けて、脱線の第2弾。日本がIT後進国であること。それは疑いの無い事実だが、果たしてどれだけの日本人が、そのことを知っているだろうか?
世界の先進国・地域50国中49位だと言う。
2012年IT統計(フォーブズ社が毎年公表するもの)の結果だが、通信・電話・コンピューター・ウェッブ・放送などを対象にしており、単に普及数など利用状況だけでなくIT法の整備状況から利用料金の高低まで。IT環境全般をチェックするなど幅広く網羅しての結論であり、日本のランキングの低さについては、近隣を海外旅行した者も追認しているようだ。
その背景には、NTTやNHKなど官製機関が出しゃばるこの国の風潮=ガラパゴス・アイランド・シンドロームとも呼ばれる”昔軍人・今役人の現人神天国”のもたらす一社会現象=がある。
サービス悪く・法規制がうるさくて役人がのさばる・徴収されるインターネット利用料金は高い、国民がバカだから、少しも騒がない。
さて前出のIT統計によれば、列島民が負担するIT通信料金は、ランキングトップにあるシンガポールの50倍も高いそうである。
また、IT法の整備状況とは何のことだろうか?この項目には先日仮出所したホリエモンなどの扱いが織込まれているのだろうか?
彼に実刑を課す必要があったか?・・・執行猶予が付かない量刑過重は、検察・警察官僚が持つITアレルギー・シンドロームが発動された結果であるとの説をなす人が居る・・・
この国はあらゆる諸物価がバカ高いが、現人神<アラヒトガミ>役人天国に安住する愚民が押し黙る国民性が招く一現象に過ぎない。
さて、列島ではこの夏の参議院選挙に向けて、「ネット選挙」に道を開く=公職選挙法の改定で動いているそうである。
その詳細=続きは、次稿=No.50をご覧ください