にっかん考現学No.39

今年も残り1ヵ月となった。日頃ひたすら未来志向でしか生きていないが、時季を得て、過ぎた11ヵ月を振還るのも時にありかなと想った次第である。
過ぎた11ヵ月中に起きた出来事、その数々の中に果たしてどれだけ明るい未来の兆しを告げる出来事があったかを思い出してみよう。
と言っても、採上げられる話題は、せいぜい3つくらい。
筆者には既存メディアで知らされる程度のニュウス・ネタしかないし、想像たくましく述べるから。勘違いや思い違いの続出となろうが、お許し願いたい。
ここで採上げる3つはこうだ。
1、4月からNHKが、NEWS WEB 24を始めた
2、都内の地下鉄で、1つのホームを2つに仕切る壁を撤去した
3、総選挙の直前になって、原発の撤廃を公言する政党が旗揚げした
ここで掲げた順列は、ものごとの発生時系列で、重要度によらない。
よって、まずバカの壁を最初に採上げることになる。
もともと、1つのホームであったものを、わざわざ金をかけて壁を作って仕切り、2つのホームとして長年運用して来たのだが、2012年になって有史以来初めて撤去された。乗換時間や乗客移動距離の短縮に始まって、改札機の不要化・改札要員の削減など=もろもろの合理化が実現した。
ここで言いたいのは、”ああ良かったね”ではもちろん無い。
この列島には、未だ知らされてない無駄やら・ためにするだけの関所チェック事務やら・無意味な役人雇傭の場を広げんがための障壁・自由妨害措置が,ゴマンと存在する。
高速道路もまた、もう1つのバカの壁だ。既に書いたことの再言だが、高速道路の壁=即ち一般道路との際立った隔絶=意図された不連続の設営は、災害多発列島と高言しなくとも、典型的なバカの壁であると想う。
愚発災害による事故を更に悪い方向に拡大するように、わざわざ作られているのだ。
この高速道路関係者の目論見には、全く理解不能であり、腹立たしい限りである。
タテ割り行政のバカな壁が、地下鉄から高速道路よろしく列島の果てまで浸透している。恐ろしいことだ。
福島原発事故も全く同根である。
フクシマの実相が事故発生から1年半も経過してやっと、ポロポロと小出しされる。
株式会社〇〇電力は、中央官僚以上にバカで・人間失格のタテ割りで・官僚以上に官僚的であったのだ。
この国固有のシステム欠陥は、根深く・幅広いと想う。
次に、卒原発を掲げて、つい先日新党が立上った。真の第三極政党の誕生だ。
これまで選挙に行くべきかどうか?実に悩ましかったが、、、、はじめて国民の声を汲み上げるリーダー登場の観がある。
ただ、立党の時期が遅きに失しており。政治パワー”力”として結実するのが、いつになるか?不安なしとしない。もちろん、ここで選挙予想を述べる気はまったくない。
現時点で評価したいことは1つしか無い。
列島の政治水準は劣化著しいものの未だ機運消滅でないことを、かろうじて国内外に証明できたことである。
名乗りを挙げた嘉田知事に対し「最後の守り=紫電改」として、期待を持つものである。
最後に、官営放送が自ら壁をぶちこわすアクションを起こした話題だ。
ここに賛同の気持を添え、更なる壁の穴の拡大に向けて、今後の行動を期待したい。
官営はさておき列島の活字・放送メディアは、世界規模でのディジタル革命・IT革命の進行にもかかわらず、業法をもって新規参入を禁止し・既得権者が徹底保護されている。
その結果、放送と通信の間にも”バカな壁”がそびえ立っている。新憲法制定後60年超も経過して、政・官・財は大手を振って憲法否定を貫いて来た。メディアのタコツボ=アナクロ的権力固執の天国界だ。
3年前地中海の向こうから、ジャスミンの風に乗ってアラブの春が、小アジアの付け根付近までやって来ている。極東の地にある列島に達することはあるまいと、多くの老人たちは楽観して来たが。その翌年3.11が起きた。更にその翌年の今年、ツイートとTV映像をコネクトして同時放映するレギュラー番組が、はじめて出現した。天国界のタコツボ壁に穴を開けるくらいのインパクトである。
あらためて言うことではないが、ツイートは双方向の通信・対する放送は一方通行の仕組にアグラをかき・ふんぞりかえり続けようとしたい巨魁である。別な切り口で言えば、方や個人・他方は組織だから、両者の間には水と油とも言えるほどの大壁がある。
さて、NEWS WEB 24は、来るべき大変革の先駆けとして、今後大きく飛躍する方向で国民から注目されるであろうか?それとも、IT後進国ニッポンの評判どおりに、列島ともども海に没して行くのか?
固唾を吞んで見守ることとしたい。
さて、そろそろ筆を置くとするが、今日の話題は、どこでシリーズのタイトルである『にっかん』と繋がることであろうか?最後にそのことを拝聴願いたい。
3つの壁<原発には圧力隔壁なる放射能防御のための壁があるが主旨ではない。唯一の被爆国に原発が押付けられた構造。そこに明治以来の行政システムの中核にあり続けるタテ割りの壁=無責任にものごとだけが徒らに進んで行く。この国の根本的体質的欠陥がある>と韓半島との領土課題も沖縄問題も、同根である。
権力を持ち・情報に最もアクセスする立場に居る者が、結果があからさまになるまで、知らぬ振りをして先送りする。この国の閉塞状況は、無責任なエリート=馬鹿自らが”壁”の中に隠れて保身をはかる欠陥体質から由来しているのだ。
今日はこれまでとします