泉流No.100  壁の話

* バカな壁  壊した先に  またも壁
[駄足] 1週間が始まるのは、日曜からか?それとも月曜からか?
いささか覚束ない。カレンダーに任せようと決めて、外出先でカレンダーを覗き見。
判った事、カレンダーには両方のスタイルがあった。
まあそんな訳だから、決めかねて。ここでは、目の前にあるユニセフ・カレンダーに従う事にした。
今日=土曜日で終わる1週間は、季節外れの?台風とか。台風崩れの大型?低気圧とか。来なくて良い騒がせものの強風雨が、相次いで押し寄せて来た。
地震津波に、暴風雨、大飯原発の運転再開などなど。何とも災害好き?なのか、天災・人災こきまぜて引き寄せたがる「お祭り災国」なんだと。つくづく嫌に。
最後は、木曜日にメディアが報じた『バカな壁』の撤去のことだが、、、、
さて、九段下の地下鉄道駅は、壁1枚を隔てて都営線営団線とが、隣り合って並走していたのだと言う。
これまで、何十年も毎日のごとく。
階段を上り、改札を出る。通路を通って、また隣の改札に入って、階段を下って。隣のホームへ進む。
通勤における乗換時間・無駄な汗かき作業が。数十万人の乗客によって、朝晩繰り返される。
壁を撤去すると、時間節約と徒労な行動は消えるが。初乗り料金の負担=明らかに無駄な利用者の二重出費は、消えないのだと言う。それは、地下鉄の運営組織体が、2つあるからなのだそうだ。
この妙な屁理屈を、通勤者の皆様は、ご納得だろうか?
壁は取り壊しにより撤去できるが、運営組織体が別だからと言う「法律がこさえた壁」のほうは、当面撤去できる見通しは無いのだとか、、、、
従って、都営の累積損失が消え、黒字経営に転換しない限り。ほぼ半永久的に、この2つの運営組織体の合併は、実現しないのだと言う。
通勤者の皆様の「ご納得」とは、壁が消えて楽になった後も、これまで通り、初乗り料金を負担し続けることを意味するのだが、、、、筆者は、そんな筋の通らない話は、不納得である。
壁も人が作ったもの・「法律がこさえた壁」は、なおさら人が作ったものである。
そもそも、ひとつの都市に、地下鉄の運営組織体を複数設けたことがおかしいのである。
仮に百歩譲って(=民間では当たり前のコスト節減の原理をこの際引っ込めて)だが、事情あって運営組織体を複数設けた時に、初乗り料金の負担を利用者が二重に負わないように、料金設定すればよかっただけのことなのである。
[駄足の蛇足] 
通勤者の通り抜けを阻止する”バカな壁”の撤去は、決定したそうだが。その先に立ち現れた”法律がこさえた、もっとバカな壁”のほうは、当面解決策が見当たらないらしい。
そこを何とかするべきであるが、新しい立法措置を工夫して欲しい。例えば、初乗り料金の一部を黒字側から赤字側組織体へ移転して、早期赤字脱却を計るとか、、、、
このあたりがまた、原発問題と同根である。
同根とは、地下鉄も原発も、古くて・新しい「役人天国」物語=拡大を良いとする大きな物語なのだ。
この大きな物語と資本主義的な経済運営とは、マーケット・シェアの独占に限れば、安易に結びつく単線一辺倒フィールドである。その領域に更に、公法・私法なる簡単に越えられない、この邦特有の司法的作法と前近代的君主制の残り滓が、しっかりはびこっている。
だからこそ、コスト・カットによる競争原理などが、適正に働らかず。役人は活動範囲を広げたがり、官僚の人員数を増やしたがる。これぞ洋の東西を問わないパーキンスンの法則だ。
列島の場合は、タテ割りして・壁をたくさん設けたがる。そうすれば、トップの数も増え、役人の数はますます増えて、複雑化する。もちろんあらゆる費用が増す。その負担を国民に押付ける。このようなタテ割り・拡大の猪突猛進一辺倒を単純馬鹿路線と言う。
真に止めてもらいたい。
しかも、費用のすべてを押付けられる側の国民には、ガヴァナンス・センスが全くない。
それが証拠に、この国の公共料金は、瞬く間に世界最高である。
電気料金・ガス水道・高速道路通行料金・電話通信料金・放送受信税などなど、平均して先進国コストの3〜7倍だ。それでも、人々は黙って負担し続けてきた。
その行灯ぶり・愚昧さ加減が、原子力発電などと言う=究極の不要な社会実験的施設=究極の無限大高コスト。最大規模物語を招き寄せたのかもしれない。