生泉流No.9 金浦の海

* 金浦の  凪ぎたる海に  光あり  海士剥かけて  花の街道
[駄足] この度の桜を訪ねた東北の旅は、4月28日の最北端の到達地=角館をもって打ち切りとし、南に向かって折り返した。
今朝の払田柵(ほったのさく)丘陵から天気の回復となり、移動の日は晴れると言う皮肉な傾向は已然続いている。
初句は、地名で。金浦(このうらと詠む。秋田県仁賀保市)は、名前のとおり日本海に面した街だが、対岸にあたる韓国語由来の地名ではないかとする説がある。
第4句の海士剥もまた、地名で。あまはぎと詠む。これもまた、難読地名だが。アイヌ語由来の地名かもしれない。と言うものの、地名研究者=山田秀三<1899〜19992>の著作に行き逢えないまま、日数だけが徒らに過ぎてしまい、未だ確認はとれない状態である。
この珍しい地名は、秋田県男鹿市の民俗で、かの有名な「なまはげ」に通ずる音だが、金浦のすぐ北と南とに、都合2箇所同名の地がある。
北の方は、由利本荘市の海岸付近の集落名として、南の方は、山形県飽海郡遊佐町の海岸沿いにある地域道路の愛称として、、、、、
従って、句の意は、精密に言い換えれば、花の街道は金浦をほぼ真ん中に挟んで、両端に位置する海士剥から海士剥までとなる。時々に光る海を眺めながら、ロードサイドに咲く様々な花を愛でつつ、出羽のふじ山=鳥海山に見守られながら走る快適なドライブ・ウエイなのである。
あそうそう。鳥海山は、清酒の名でもあった

東北・アイヌ語地名の研究

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