泉流No.85 新墾田

* 花いかだ  千枚浮かべる  新墾田
[駄足] 桜ふぶきは、そろそろ終わり頃になっている。家の周りは、その昔穀倉地帯と呼ばれた加賀平野の美田が住宅化した混在田園である。
5月のゴールデンウィーク前だから、田んぼに水が入り始める頃である。早苗の方は、未だ苗床にて育っていることであろう。今年は冬が長かったせいで、花時が例年と微妙にずれているそうだが、あちこちの田んぼが花筏状態であるかどうかは、よく知らない。
買い物に行く途中の、一枚の田んぼに、今日水が張られ始めた。水の取り入れ口から最も遠いコーナーに千枚もの花びらが、漂っているのを観た。
新墾田は、にいはりだ。と詠む。今時新しい田んぼなどあるはずが無いのだが、、、、、実は、ついこの間まで畑であったのを、地主の意向で水田に戻したものである。
実は、これからがややこしい。想像するに、元々は田んぼであったらしい。減反政策に協力?して、土を入れて畑に換えてから、近隣の住人に菜園として貸付していたのである。
俳人がこの地に来たのは、3年ほど前だから。実観した景色としては、間違いなく新墾田なのである。
ベルリンの壁が消え、政権党が交代し、原発事故が起り、米粉からたやすくパンが作れる自動炊パン器が売り出される。そんな時代の推移を受けて、食料の自給向上に立ち向かう気になったのかもしれない?
身近な食料供給源だからか、頼もしい