にっかん考現学No.9

1日に始めた新シリーズ9日目・第9稿である。
3.11の悲劇、それは地震津波が襲うような場所に、原子力発電所を設けた愚に起因する。
その愚かさは、大から小まで様々だが。これもまた、いささか廻りくどい事であるが、一々列挙する。なお、進行番号は、前稿(1〜9)との続き番号とする。
10、現在列島には、商業用原子炉が55基あると言われる。どれを採上げても、どの場所であれ、地震に無縁の土地はこの列島には無い。
11、狭い列島には、地震パワー起動の原因とされるプレートが集中し、しかも日本海溝南海トラフなど海底プレートの沈み込みベルトに近接位置するため、世界有数の地震多発地域である。
12、その日本列島の中でも、太平洋に面した海岸ベルトは、海溝型の大規模地震震源域に最も近い位置だ。
多発はより量の面、大地震は質の面からだが、質量とも最悪の環境である。
更に、津波となると。これまた最も襲いやすく(量の面)、しかも列島中最大規模(質の面)のものが来る海岸である。
13、太平洋海岸ベルト上に立地する原発と言えば、福島第一、福島第二、浜岡の3カ所だ。都合14基の原発が、それぞれが建設決定された時以来確定的に危惧された。
福島第一に当る6基のうち4基は、3.11のゼロ・ポイントになってしまった。
東電の大幹部は、「想定外の津波だった」と釈明にならない発言をしている。そして未だその任にある。正直だが愚かな集団であることを証している。組織全体が安全神話どおりの行動をしたから、一発の揺れで全ての電源がダウンし、企業のみならず、この国の破綻を招いてしまった。
一言要約・・・・東電一社で列島を沈没させた。意外!あっさり現実に
14、中部電力浜岡原発4基は、当時の菅直人首相が強権を発動して運転停止させた。現在はどうなっているか不明だが、福島第一・4号機の例にみるとおり、停止中でも燃料棒の冷却電源が失われる事態は危機を招く。そこに原発のみに備わる水力や火力と根本的に異なる危険がある。
15、以上3カ所に加えて、今日はアト2つ述べる。
まず太平洋海岸ベルト上に立地しながら、暴発最悪の事態を免れた東北電力女川原発の3基である。最悪環境の中での千載一遇の運を拾ったのだから、強運の持主なのかもしれない。このまま、廃炉に向うことができれば強運が全うされるラッキーな顛末となろう。
16、最後は、日本海に面しているにもかかわらず、全く悪運を担っている東電・柏崎刈羽原発7基である
ここもこの4〜5年地震常襲地帯となりつつある。それに活断層の課題が再燃している。もっと突っ込むと、活褶曲の真上に立地するとの報道もあり、かなり危ないかも。
そもそも、活褶曲なる耳慣れない新語が扱いにくいので、踏込み難い。ただ、これも以前から懸念はあった。北米プレートとユーロピアン・プレートが出逢う境界面は、どこにあるのか?
つまり二大プレートの境目が、未だはっきりしないものの、この際その想定地域面を仮に定めるとしよう。
両端を措定するに留めたい。
東の端は、阿賀野川信濃川合流域付近に置き、西の端を、敦賀湾域に置けばどうであろうか?
柏崎刈羽は、その措定地域の中に含まれるのである。
今日はこれまでとします