泉流No.69 大寒波

* おお寒い  片手落ちたる  雪の道
〔駄足〕 メディアが言うには、この冬のピークは今晩らしい。北の方では、既に雪崩や雪下ろし作業中の転落事故などで、相当数の犠牲と損害が生じているとか、、、
今日の昼頃、私なりの季節装備で身を固め、松任駅前から千代尼通りへ移動した。その短い歩行の路上でなんと2度も、防寒用手袋の片手が落ちているのを見た。勿体ないとは思ったが、2度とも拾うことはしなかった。あそうそう、この場合の勿体ないは、落した人の心情をも含めていることをお断わりしておきたい。現代人は、移動距離が長いからか、多忙からか、物惜しみしないからか、何故か拾いに戻ろうと考えないようだ。その心根が勿体ない観に対して、実にあさはかだと思う。
拾わなかった理由をあえて述べる。
一方は、氷漬け状態で歩道の踏み固められた足跡と一体状態。他方は、車道の中央付近から流れ出る融雪用の水の中に、これまた浸かりきっていた。
互いを掘り起こして2つ揃えても、セットは完成しなかったし、作業道具が思い浮かばなかった。
さて、おお寒いを初句に持っていったのは、とにかくそれを訴えかったからだ。
序でだが、片手落ち、と言うような切り方は、げんに慎まれたい。差別なる次元へこじらせかねないから。
最近TVで、有名人が選ぶ名作映画が流れるが、本編が始まる前に、そのような忌むべき言葉が出てくる旨の断りが流れる。
差別とは、されたと感じる側に立って、判定されるべきだろうから、それで良い。しかし、短くすること・短さをもって文学性を云々する詩作の領域には、少し制約となりかねない。
〔駄足の蛇足〕 毎年の事だが、この時季は生き続けることに厳しさを思う。
それに税金関係の年壱作業が重なるので、精神面の負担も大きい。
今日は2−2なるゾロメ日なので、良いことがありそうな気がして、朝早く雪掻きをして出かけた。
この数日、毎日雪掻きしている。
太陽の黒点活動が戻らない冬に当る事が確定したので、覚悟はしているつもりだが、イラン封鎖問題と絡むので、石油暖房に生命を預ける身として、この冬はかくべつ首筋が不気味に寒い。
原発が停止し、ホルムズ海峡が封鎖される事態となれば、眼前のエネルギーは、眼の隅に見える丘の樹木類だが、もちろん所有者ではない。
仮に、持主と話がついたとしても、切出し、運び、薪にして、燃やす。この一連の技術も設備も体力も、何もかも全く持ち合わせない。
知恵も、力も、もちろんカネも持たない者の期待は、石炭の復活を口にするくらいのものだが、不幸なことに北陸と産炭地とは遠い。
不動産を持てず、現に持たない者は、石炭産地に擦り寄る準備にかかろうかなあ・・・・