泉流No.60 Kanataの月

* カナタにも  いずるや今宵  鏡づき 
〔駄足〕 その昔、カナダに出かけたことがある。
カナディアンロッキーとヴァンクーバーにそれぞれ数泊した程度だが、バンフを発った朝、突然の雪に出逢い、白銀世界の美しさに魅せられて、去り難い想いが強く、帰国した後も、しばらくの間、ポワーンとしていた事を思い出す。
現地の住人は、少しも驚く様子もなかったし、カルガリー空港には十分間に合って到着した。驚きかつ感動したのは、9月の半ばだった事にかこつけていた小生だけだったかもしれない。
その年の秋、運良く晴れた。満月が、山の端から上がる光景に出逢い、咄嗟に思い至ったこともまた、やはりカナダの山河であった。
鏡づきは、鏡月だが、角度のせいか?カナダの山河は映らなかった。
その後も再度の訪問を心がけつつ、未だ実現しない。何とも腑甲斐無い想いだ。
〔駄足の蛇足〕
その昔、カナダに旅したのはいつのことだったか?
それが引っかかりになって、筆がのらない。
確認の意味もあって、2日ほど当時のパスポートを捜した。どうにか見つかったが、肝腎の出入国スタンプが見当たらない。
海外渡航で緊張するのは、やはり役人との接触ポイントである。さして、身から出るほどの錆はないのだが、それはこちらの言い分。どう出るかは相手次第であって、打つべき策が全く無いので、早く終れと祈るばかりだ。よって、押したかどうかなど、覚えていられない。それがホント。
これが業務出張だと、帰国後に会計と揉める事態になるので、その場で明瞭に押されているかどうかを確認するのだが、、、、私費観光だと、はなから気が抜けている。
カナダやスイスは、出国に限れば殆どノーマークであったように記憶している。去りがたい気持も強い、清潔でサイトビュウの国だから、住んでみてもと思う。
受入国サイドで考えれば、入国審査の方は厳しくチェックする。犯罪が現に起きてないのであれば、出国審査は不要とも言える。
その点腑に堕ちないのは、シンガポールだ。入国がごく簡単、出国時は、4回もチェックされた。犯罪多発のお国柄なのだろうか?ボーディングパス引替時から始まり、ボディーチェック時とパスポートコントロール時。やれやれ終ったと思いきや、搭乗ゲートを通過する直前に4度目があったのだ。
役人が余っている国に向う足は重いだけである。