泉流No.57 原に月

* 草原の  はるかの奥に  月はあり
〔駄足〕 今日は冬至。雨・風・時々みぞれが、荒れ狂い、吹き捲くる、恐ろしい冬の到来だ。
今年ほど,逃出したいとの想いが募る事はかつて無かったように思う。
逃出す先は、どこか?それはもちろん、実際に行ってみてからのことだが、これまでの28カ国・地域の下見体験からすれば、この時季は夏のシーズンを迎えたニュウジーランドがまず頭に浮かぶ。
句が作られた時期も、ちょうど10数年前の今頃であった。ミルフォード・サウンドに向うバスの中から見た一瞬の光景である。島国であるから、広大な草原は乏しい。だが、居住人口が圧倒的に少ないから、広々した感じがとてもよい。
満月にアト少しの白い月が、とても小さく見えた。
ゆっくり考えれば、草原はそんなに大きくなかったのかもしれない。月の方が小さ過ぎたかもしれない。
〔駄足の蛇足〕
温暖化とか、異常気象とか、ろくに定義もせず。検証の備えも乏しそうな、メディア的キャッチフレーズが飛び交う昨今だが、もっと、騒がしい言葉を使うことにしよう。
天変地異である。
3月の東日本もその一部をなすであろうが、こっちの方は天・人ハイブリッド・ディザスタだから、天変地異人災と6文字にする必要がありそうだ。
太陽の黒点活動が、そろそろ活発化してよい時期であるにもかかわらず、その兆しがないまま越年しそうだとか?
つまり、低下したままで推移しており、経験サイクル・パターンから乖離した状態にあるらしい。
太陽が少しおとなしくなると、地震津波・洪水・低温による農業被害などの懸念が増すのだ。
前の2つは、多発兆候が経験から指摘され。
アトの2つは、因果関係が科学的解明途上にある。
太陽風の減少は、地球にある大気中の雲を増やす。その結果、地表面の日射量の減少と雨量の増加を招くのであると言う。
エネルギー危機にある日本列島だが、人災に更に天災が追い撃ちをかけるような寒い冬でないことを祈りたい。