泉流No.56 雲と月

* 雲ながれ  鳥しずまリて  月のぼる
〔駄足〕
この季節、日本海側は晴天に見放される日々だからか?句のような情景を頭の中に描いてしまう。
所詮、人は無いものに憧れる、妙な存在なのかもしれない。無を有に変えようとする努力が賞賛されるべきか?それとも、無も有もあるがままに振舞うおおらかさを誇るべきなのか?容易に決めがたいものがある。
目蓋に描く、穏やかな夕暮れの中には、金色に近い色の雲がある。長く見ていると、形が変わるから。上空に緩やかな風がありそうだ。なかなか家路に向う気にならない、良い日である。
ふと、気がつく。心なしか静かになっている。そうだ、いつの間にか。鳥の動きが収まっていたようだ。
その頃、気がついて振返ると、もう丘の上に月が出ていた。
月は、カナダでもハワイでもニュウジーランドにもついてきた。古い付き合いの友であった。
その頃に、もう足は家路の方を向いていた。
〔駄足の蛇足〕
今年もかなり押し詰まってきた昨日、思わぬ報道に接して驚ろいた。
廻廊半島北半部の強力指導者が、突然死していたとの報道が公になった。
敗戦後66年の長きに亘って、国交が無いのは、相互に近い距離なので、残念としか言いようが無い。
善隣友好とは、古い真理であるが、現実は難しく、乖離しやすいものかもしれない。少しでも真理が近づくための普段の努力を心がけたいものだ。
もう1つ、夕どきのニュウス・ショウ<NHK・TV>で、思わぬ光景を拝んでしまった。
画面一杯に、息子の顔があって、想像だが彼の自宅の書斎に座って,話していたのだ。最近出版された新刊書に因んで、インタビュウされていた。
あっという間に,そのシーンは消えたが、親として世間に頭を下げる事態ではないことに、気がついて、ホッとした。今時連座制は無いものの・・・