わたくし的21世紀予知試論・第13稿

「都」構想による大坂ダブル選挙に刺激され、66年来の日本列島地方自治の不合理を、一挙に開陳してしまった。
この国の慣(=ならいト読む)からすれば激し過ぎる口振りで、中央政官の無策をあげつらってしまった。批判するだけなら容易だが、脱出策を探る事は容易ではない。
ただ最大原因を一つ挙げよ。と言われれば、答はある。
金利ゼロ誘導を異常な程度の長さでやり続けた咎だ。事実上の計画経済方式を20年近く続け、金利引き上げのタイミングを掴めず泥沼状態に陥っている。
金利ゼロなる状態が、そもそも一時的経過措置事象として存在することはあろう。でも、それはあくまでも一過性のことであって、本来的に長期化するものではない。この場合の長期と短期の境は1年である。
結果として20年近く続く事実は、悪しき計画経済が行われている事を意味する。悪しきとは、机上の人為操作でもって経済が誘導されていることを指す。
そもそも人類史上、経済は私的活動領域であり、公的活動領域である政治とは一線を画されてきた。将来とも一線を画されるべきである。
しかし、そのあるべき原理が後退し、混乱した時代があったこともまた歴史実態である。経済と政治の間にあるべき垣根<ファイヤー・ウォールとも言う>が、崩れる=政経癒着の事態とも言う=状態だが、二度の大戦や共産主義一党独裁体制国がそれに当る。
政経癒着の状態とは、本来の自然な経済から大きく乖離して、政治介入により主導される経済の状態を言う。そこでは経済も社会も大きく動揺し、不安定に沈潜し続ける。
ここで、型通り「本来の自然な経済」を述べておこう。
個々人が勝手に利益追求に奔走する経済活動状態のことである。つまり、防衛本能に立って行動する衆知とも言うべき、ばらばらの人間性の集合体。それが経済本来の自然な姿なのである。
かのマキャベリの言葉に 『○○は始めたい時に始められるが、止めたい時にはやめられない』 があると聞く。
○○には、戦争も・ゼロ金利誘導も、ともに当てはまる。
1923年9月、関東大震災が起り、復興財政が始まったが、軍部は大陸で独断専行の行動を採り、本国財政に依存することなく兵力増強と軍備更新を果した。
その軍事行動は、事件とか事変と命名され、巧妙にタイトルを偽装するも,歴史上の実態は戦争であった。
つまり、1945年9月に敗れた戦争は、昭和初年・中国大陸において始まっていた。事実上ほぼ20年間続いた、まさに『やめられない』戦争であった。
20年・マキャベリの言葉、奇妙に符合する。
過去に習う=それが本当の歴史である。
年号や事変名をただ暗記し、思い出し、ペーパー上に書く。あるべき姿に最も遠い。
さて、平成の世。ゼロ金利に前後して、国債への依存、年金財源の雲散霧消など、大型金融変事があった。
国が株価を維持しようと乗出し=経済への関与=大損した。常軌を失する珍事にして国政上の汚点。結果は敗戦と全く同事、今日只今の財政破綻をもたらした。
真のリーダー性を欠く、無責任な中央政官組織に、20年も国政を委ねると、どのような結末となるか?
だから、大坂「都」ダブル選挙は、立上がるべき時期を示唆する予知現象そのものである。
今日はこれまでとします