わたくし的21世紀予知試論・第6稿

今月1日から始めた「わたくし的21世紀予知試論」の6日目。
今日から予知現象の2つ目=10月20日講談社現代新書から発刊された「ラーメンと愛国」を詳論する。
さて、その書籍だが、新書版280ページと軽装ながら、7文字で終る短いタイトル。「と」で結ばれた2語は、およそ無縁であって、どう考えても互いの間に通い遭うものはないように思う。
ところが、毎日・朝日・日経の順で書評欄に顔を出し、その間各地の有力地方紙でも刊行案内に掲げられたようだ。
中央3紙は、この国を代表する良識派ジャーナリズムだが、揃い踏みともなれば、グランドスラムくらいの意味があろうか?
地方紙にいたっては、締め括りの言葉が、異色の現代史であった。
異色と言えば、これまた核心を突いた一語であると、ゆっくり同感した。異色な組合せ語のタイトルだが、内容記述と齟齬が無い。
それに、そもそも戦後史を採上げる書が少ない。
しかも、日米関係の異常を書かない書物が多い現実がある。
既に戦後66年も経過しながら、言論自由の国にして不思議な事態である。
その背景だが、何らかのタブーなり、自己規制なりがあって、多くのエリート・パワー・ハラスメントが機能を発揮して、おそらくそのような困惑すべき事態を招いているのであろう。
このような異色の書籍が、注目を浴びると言う事。それは、アラブの春ジャスミンの風を伴って、遠く極東の背水列島にまで及んだからだろう・・・・
オッキュパイド・ジャパンの時代も含め、格別の2国の間には、無数の隠された事実が存在する事であろう。
その「密約」とでも呼ぶべきものを沖縄の片隅にのみ追込み・追いやる事で、何事もなかったように装い続けようとする風潮=名付けて”テフロン66”と呼ぶが、その恥知らずの鉄仮面に、大きなひび割れが入る期待がある。
66年も隠されて来た事が公やけになり、それからマトモな関係が成立し、ようやく対等な関係の21世紀が始まる。
この書を読みながら、そんな期待が生まれて来た。
「ラーメンと愛国」は、新しい21世紀をこの国にもたらす、一つの大きなキッカケの書となりそうだ。
この書の第1章に、4つの中央省庁が、USA農務省の手先となって、小麦食品キャンペーンに動いたとの記述がある。
当時は誰でもが知りえた常識たる事実であろうが、小麦を原発に置換えても十分に成り立つ=腹立たしい限りのストーリー展開だ。
筆者は戦後年生まれで、この書に掲げるラーメン年表と多く重なる世代だが、この本に書かれている出来事は殆ど知らない。
世に人の噂も75日と言うが、忘れるどころか、都合の悪そうな事は聞えなかったように装う日本人は、決してクールでもスマートでも無い、まさしくダッサイのである。
著者は、おそらく4半世紀くらい筆者と年齢差がありそうだが、『万人の魂に生ずる初発的かつ根本的な問題をとらえ、掘り起こし、手引きし、しかも最新の知識への展望を万人に確立させる書物』(書籍発行所の野間省一による1964年4月付けの刊行趣意文から筆者が抜粋)を書き上げている。
今日はこれまでとします