わたくし的21世紀予知試論・第4稿

今月1日から始まった「わたくし的21世紀予知試論」の4日目である。
予知試論とは、大袈裟でいささか古典的タイトルであるが、今年起きた、これまでの常識を覆すような出来事から、21世紀がどう変革して行くかを、あれこれ考えてみようとする所謂試みのことである。
予知へ導くきっかけとなる予知現象は、2011年11月までに起きた事象の中から3つ選んだ。初稿に3つを一括掲示し、予知現象の持つ課題としての時代背景や変革が進むべき方向を、順次詳述してきた。
予知現象の最初は、3月11日に起った大地震・大津波原発トラブルである。
21世紀末、原発はことごとく廃止され、運転休止から廃炉途上のものだけが、ひっそり片隅に残っているであろう。
それでも、管理人件費や冷却費用など負のプロセス・コストと暴走リスクは、長く残る。腹立たしいばかりのデメリット・コースだ。人類的規模の愚行だから、カバー経費も超大型である。
軍事技術の安易な転用から派生しており、世界大戦とならぶ最大規模のチョンボ・ミステイクである。
さて、21世紀のエネルギー展望だが、既成の科学知識と既存の技術体系とを上手に組合わせる事で、不足する危機的事態は回避できそうだ。
しかし昨日述べた付帯的条件=2つの難問がある。
人口増加をどう防ぐか?
人類活動の大型化指向の悪癖をどう正すか?
これ等は主として社会・政治・経済の領域の課題だが、その解は、ほとんど見つかりそうにない。
医療水準の向上、衣食住の安定など平和の配当がもたらす人口増加を非暴力的方法で抑えるには、人類総和の智慧をもって立ち向かうほどの難題を解く必要がある。
人類活動の大型化指向とは、もの凄く舌を噛みそうな、持って回ったもの言いだが、英語表現の方が耳慣れているかもしれない。Sustainable Development=持続可能な成長とでも訳しておこう。
この言葉が生まれた背景には、1970年に発足したローマクラブによる活動がある。国際的な知名度を持つ賢人達がこぞって提言したので、資源の枯渇と環境危機の周知について見るべき効果があった。
しかし、現実の問題として金融資本の自由な振舞に対してこの40年の間、何らの有効な歯止めがなされなかった。
印刷紙幣の膨張に対する無防備さもあって、経済のゲーム化とバブル崩壊は、その後日本を皮切りに今やグローバルな規模で広がりつつある。
実体の乏しい印刷紙幣と私益追求のため短絡直行する金融資本とが結託して動く政治と経済の癒着体制に対して、唯一距離を持つ社会体制の側が、どれだけブレーキをかけられるだろうか?こっちの解もまた、ほとんど見つかりそうにないほどの難問である。

成長の限界 人類の選択

成長の限界 人類の選択

今日はこれまでとします