バリ&ギリ南洋見聞記No.24

ウブドの印象記に入って4日目、既に食・住・都市計画を述べたから、今日のテーマは衣である。
人が身につける生存の3要素の中で、衣料風俗が一番苦手な領域かもしれない。眼につきやすく、変化が激しく、ありふれて手垢がつきやすいのだから、、、、
ところで、すべての人に付纏うことだが、人生に3つの大事件があると言う。出生・結婚・死去。中間項だけは例外ありだが、どれも裸で済まないから、この3回のタイミングだけは、古式豊かな地域固有の衣装を身に纏うことが多いと言う。
それは世界共通のことであるらしく、運良くその場面に出くわすことができれば、保存された古態風俗のオンパレードを一望できるとも聴く。
その点運良く?宿の前の通りで、ヒンディーの葬列を見た<第10稿を参照>ので、古態を踏まえた地域固有の伝統的衣装例としてお届けしたい。
その時写真撮影を憚ったことが軽率であったと今更ながら悔やんでいる。
大通りを通行止にするため、多数の交通警察官が出張っていた。揃いの衣装なので制服と見たが、実は勘違いであった。
後日、レンタルバイクのオーナーと大通りで出逢った。例の勘違いを踏まえて、彼の衣装を尋ねる。そしたら、なんとその恰好が、バリの男の晴れの正装であったとは。
その時既に落日後であった、写真は諦めた。今思うと僅かなチップを弾む約束をすればよかった。明るい陽の光の下、ゴロー君の粋姿を記録して残すチャンスなのに。
別の日に見た警官は制服姿。ジャケットとパンツ、現代の合理服、世界中どこも同じあれだった。
男子の正装は、格別珍しくない。よく見かける。
ウブドなら毎晩、市内数カ所で行われる、バリダンスの会場で見ることができる。入口整理や楽器演奏を担当するバリの男達が着ている。
頭に被り物・腰に鞘入りの小刀を指し・ベルトから下はスカート風の3つが基本セット。
そのスカート柄だが、これもヒンディー神像やその基壇を囲う、ありふれてよく見る、あの布だ。
概ね白地と灰色に見えるチェックとを市松模様に組合わせた布、男はこれを腰に巻いている。
女子の正装は、ダークな緑色のスーツ姿としておこう。これは、葬列の終点場所モンキー・フォレストで見た。
故人の家族20〜30人の婦人一団が身に付けていた。礼装とおぼしき揃いのレース入り2ピース衣装。
色の濃さとレース模様は、年齢と体型に拠る?個性差があったものの、出立ちとして一系統であった。
以上何とも説得力を欠く、覚束ないレポートになってしまった、カメラを向けなかったばかりに、、、
今日はこれまでとします