バリ&ギリ南洋見聞記No.23

ウブド、それはインドネシアの中で最後まで地域固有のライフスタイルを保った、ヒンディーの都。
そして、随所に中世の佇まいを残している王朝風俗が保たれている微笑みの田園とともにある都市。
植民残虐史のなかで、ウブドは市街地の固有景観が保全された希有な事例かもしれない。
アフリカ・アジア・南北アメリカの4大陸は、タイランドや日本列島など2〜3の例外地域を除いて、欧州帝国の植民地にされた。
インドネシアの、そしてバリ島に限れば1908〜1949までの間、旧宗主国はオランダであった。
プロテスタント一神教徒のダッチは、税収と対日貿易の独占維持に注力し、バタヴィアの土地支配に執着せず間接支配に徹した。それでウブドのグランドデザインはどうにか守られた。
対照例としてクアラルンプルの市街地景観を思い出してもらいたい。この街の景観から西洋系建築を除外したとき、果たして如何ほどの建造物が地域固有のものとして残るであろうか?
もう1つ。これは未だ現地に立った事は無いが、メキシコやインカに対して、スペイン発源のカソリック一神教徒のゴートどもは、徹底破壊の姿勢で臨んだと言う<末尾に参考文献>。
ウブドの宿、朝食までの静かな朝。ラジオもテレビも活字媒体も無い、それでいて心穏やかなひと時。
やはり思うことは、東日本であった。
地震津波は天災としても、放射能漏洩は人災以外の何ものでもない。
フクシマから洩れた大気は、バリも含めて全地球を既に何百周も廻っている筈だ。
遠い近いは、勝手な思い込みで安全度に無関係だ。
人類は、確実に太陽系唯一の青い星=宇宙船”ちきゅうごう”に乗込んだ乗組員同士である。
今日はこれまでとします

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