バリ&ギリ南洋見聞記No.19

バリ島ウブド周辺の農村風景を点描する。
○ 見渡す限りコメを作っている。もちろん、年に2回から3回作る訳だから、1回しか作らない「みずほの国」より過剰生産になりそうだ。しかし、減反政策が半強制的にあるかないか全く知らないが、すべてコメ田んぼであって、麦や大豆など転作栽培の例を見なかった。
○ 苗を植付けたばかりの区画とイネ長けが伸びて30㎝もある区画が並んでいるのを見た。田植え風景を目撃したかったが、叶わなかった。
○ 稲刈り風景を見た。ラッキィー!! 区画ごと若干早い遅いあるが、一つの水系がほぼ纏まって収穫期を迎えるらしかった。収穫区画の隣に田植えする風景も想定したが、実地に出くわさなかった。
○ 収穫風景。加賀平野ならずとも日本は1度に出来秋一色だが、バリは1つ谷のみカカシ。そこの谷だけに喜びと活気が溢れ。すれ違うのがやっとの幅しかない畦道を、バイクが勢いよく近づく、慌てて避けながらバギーと挨拶する。返事の挨拶が二つかえってくる。おやなんと、後ろの荷台に座るアンちゃん。両腕に1つ宛コメ袋を抱えていた。
○ 更に奥へ。親爺がイネの穂先だけを刈っている。地面から腰高の茎は残したままだ。近くで女房が手早くモミを摘み竹ザルの中へ、残りは落す。
○ バギー。この谷だけ、なんと人が多いことよ。
しかもみんなニコニコ上機嫌。この谷に来れば村人発見は簡単だ。この数日の閑古鳥状態を思うと、別の島に来たようだ。
○ 人の働らきは、畦道から見て差があるのが判る。男はダラダラ、女はシャキシャキ。熱帯も温帯も変わらない景観ではある。
○ バリに無くて、加賀平野に有るものナアンだ?
休耕田に転作畑地、パチンコ屋に農業機械を全く見なかった。米袋を運ぶ二人乗りバイクは、どう考えても農業機械に含めることは難しかろう。
因みに農村地帯のパチンコ屋は、昔は雨が降る日だけ百姓の溜まりだったが、減反奨励の恒常化に比例して入店者の平準化?が図られているとのこと。
○ 農村や農家の近くで、犬をよく見た。放し飼いでよく吠える。狂犬病も含めて赤道地帯向けの予防注射をしなかった。まじ怖い。ブタらしい悪臭を嗅がされたが、声も姿も聞かず見ざる。
○ 馬も牛も見なかった。ふんぞり返る・大きいニワトリを、農家はもちろんウブド市内の住宅の庭先で数多見た。伊藤若冲の絵に居る奴だ。
なんとこれがバリのパチンコ代わりと後日知った。
○ 農家の軒下に竹で編んだ籐丸駕篭をたくさん置いてあった。1羽づつ大事に収めて市場で売るためかと思いきや、闘鶏場に乗込む「オトリ様」のロールスロイスなのだった。
○ さて、穂先だけ取込み、長け長く残されたイネ茎だが、しばらく放置され枯れてから、再度刈られるようだ。用途を聴きだすだけの語学力が当方に無いのでインタビュウしなかったが、伝統家屋の屋根葺材料であるかもしれない。別の区画で、田植え前の定番の姿=茎なし刈跡田んぼを見た。
今日はこれまでとします