バリ&ギリ南洋見聞記No.14

クタを発ち内陸のウブドに移った。チャーターバスに乗った。
前日に予約し、運賃全額支払済みだから、発つ時はホテルまで迎えに来てピックアップしてくれる。30分遅れで現れた。バスとは名ばかりのガタガタで、クーラーなどはなから期待しない。安全に走ればよい。日本には車検があるから、こんなポンコツはまず見ない。
ウブドでは、適当なところで放り出される。
声で促され兎に角下車した。適当なところと言うしか言いようがない。バスセンターらしき施設も、バスターミナル?当然だが無い。
前にも書いたが、そもそも公共交通輸送網が皆無に等しいのだから、、、センターやターミナルだけが存在するはずも無い。
大きな道の出合うポイントかそんな所で放り出された。もちろんバスストップサインポストも無い。
予約してある民宿まで徒歩移動した。事前の土地勘も無いし,予備知識も全く無いから、方向を誤って歩き出したら大変だ。結果として30分程の歩きで、目的地に達した。
パーソナル・ツアーは格安だが、こういうところが老爺に辛い。でもそれは覚悟の旅である。
現地の人と原則同じものを食べる。買うものと言えば絵葉書くらいだ。ポストを発見する事は以外に高度な技だから、郵便局まで行くことが多い。自分で切手を貼って出す。汗をかきかき、やっと見つかった局に入る。カウンターの向こうに座るスタンプ・セラー嬢に、バリ・ビューティーと呼びかける。
すると笑顔を贈ってくれる。ワットは嘘もお世辞も言えないタイプだ、、、とまあ綺麗ごとはそこまで。
バスから降りる。
苦行の始まりだ。リュックの負担再開となる。
暑い中 重い物を担いで歩く。例によって、途中の歩道は穴ぼこだし、何となく不快な匂いも漂っている。
それにタクシーの呼び声が煩い。そうだ。今時昼中にそんな恰好で歩く老人は珍しい。日中は格別暑いし。
歩く旅だから当り前にタクシーには乗らない。右も左も判らない土地で流しのタクシーには頼れない。地名も言葉もおぼつかない。
荷物は肩と背に。理想は手ぶらで、予備食携行。2つのリュックを胸の前と背中に負い、併せて約20キロの重さ。飲み水も重要だ。
心がけもある。朝に発って、目的地には午前中に着きたい。
とまあ、そんな心がけなんぞ当り前と言えば当り前だ。年寄りの冷や水とはよく言ったもの。ひやり・ドキリは、過ぎてしまえば、犬も食わない程度の失敗談。
ただ道中記では、それが一番好評で受けが良いとも聞く。それもまた日本人の国民性の一つのようだが、イスラム圏ならまだしも、その点バリは穏やかで優しい。期待にそえず,ご免なさい、、、、
少し戻って、チャーターバスの車内風景を描く。ドライヴァーと当方を除けば、皆コーカソイドだ。耳を澄ますと、聞き慣れない外国語ばかりのペアだ。北欧系に見えるが自信は無い。
因みに現地人の移動はどうなっているか?
そう想像のとおりです。車外風景は、バイクとスクーターの洪水。
1家4人が1台に乗り、しかも銘々が何かを持っているから,客貨混載だ。
車内も車外も定員乗車とか,車検とか、まあそんな仕切りは無い、大らかな暗黙の了解のもと、うまくやって居るようだ。事故風景を見かける事は無かったし、横断歩道を渡る時は、なるべく大袈裟な手振りで、ゆっくり動くように心がけた。
今日はこれまでとします