バリ&ギリ南洋見聞記No.10

バリ島についての常識を修整してやれキャンペーンを22日前稿から掲げ、設問毎のカウンター・パンチ?を今日から順次繰出す。
インドネシアの中にあってバリは特異な存在だが、誰もが知るその常識から前稿で抜出した4つの特異要素(=設問のこと)。それが、いずれも虚構に過ぎないことを看破してみたい。結末はどうなることやら誰も知らない。
『第1のカウンター』・・・バリはヒンディ教徒が多い,唯一の地域である=前稿で掲げた特異要素の第1を再掲
各種資料によれば、バリ島人の9割がヒンディ。そして全インドネシアの9割がムスリムとなっている。
権威筋による公式見解と言うだけ。根拠不明であることは明らかだが、誰も反論したり、否定したりしない。
信仰の事など、どこでも誰でも正面から採上げようとしない。何故だろうか?極めて個人的かつ心的内面の事はテーマに絞り込みにくく対象としても科学的客観性が乏しい。
ただ、漠然とした掴みでなら言える事はある,それは両者の違いを指摘する事だ。
○ ヒンディ教は多神教的に対して、イスラム教は一神教。東洋由来と西洋由来の違い。生物多様性の環境に生まれた自然融和的穏当な共生思想と無生物または死と直面する砂漠の環境に生まれた自然支配と競争者廃除思想の違い。などなど
○ 東洋由来の世界宗教に仏教があるが、ヒンディ教世界とは空間的に隣り合ったり・モザイク状に重なったりするが、ともに排他性の乏しい柔和な複数中心系<ヒンディは1神3態、仏は神ではない>宗教なので,どちらも棲分けが容易で、観光産業との相性も良い。
○ インドもバリも共にヒンディだが、社会のありようは大きく異なるようだ。階級差別やコンタクト回避などは深刻な内政課題だが、外来の旅行者には最も見えにくい。
○ 社会のありようは、宗教要素よりも、大陸と島嶼の違い=つまり地政学的要因により決定される面が大きい。島の人情はマイルド、アバウト決着傾向、観光適性である。
○ インドネシアイスラムは、外来移入の宗教。信仰発祥の地=聖地から最も遠い(教義の緩やかさ度は概ね距離に比例するとか)。各地の民俗は多様でしかもその地に古くから続く土着信仰が根強く残る。習合においても土着信仰のウエートが高いのでヒンディとの差異が見出しにくいと聞いた。
たまたま、滞在した民宿の近所で葬儀があった。半日ほど群衆に紛れて、故人の棺を自宅から墓地まで送る葬列を追いかけた。
葬列は、空中の電力・電話の架線を一時撤去した大通りを行く。この日のために路端で臨時に造られた2つのハリボテは、塔型と雄牛型でネブタの山車を連想させる。それを引廻す成年男子の引手は、目の子計算2百人くらいか?揃いの白色Tシャツを着て、若者達は元気一杯。通りの交通をシャットアウトするので交通警察多数が仕切るが、その指示に従うようで実は微妙。所々で停まってはパック容器のミネラルウオーターをふんだんにあおるが、水掛け祭りのようでもある。
憚られるので写真は撮らず、後日民宿の人にインタビュウをしてみた。勿論英語・日本語・手振り身振りまじりだから、信頼度はおぼつかない。
ヒンディ教式の葬儀。3ヶ月もの準備期間を置いた壮大な規模のもの。旧王族の家系に連なる有力者。Tシャツは喪家提供で故人名入り。であることが判った。
その彼が強調したバリ・ヒンディとインド・ヒンディとは別ものとする主張を、筆者は即座に納得した。
バリは犬でインドは牛だ。
これほど体験からして際立って見える違いは無い。道路と言わず,どこにでも寝そべる野良犬?を無数に見たが、牛を見る事はついぞ無かった。島と大陸の差は、家畜?の大きさにもあるなあと、我ながら大笑いした。
このアンチ?・Bali・キャンペーンは明日に続きます