バリ&ギリ南洋見聞記No.9

バリは、インドネシアの中でも特異な立場を占める島である。
そのことは既に知られていることばかりだが、思いつくまま幾つか掲げてみる。
1、ヒンディ教徒が多い、唯一の地域である。
2、植民地時代が、このバリだけ最も短かった。
3、生息する生物が、ロンボク海峡以東の島のそれと大きくかけ離れる。
4、観光に特化し、南半球のハワイと呼ばれる。
とまあ掲げたが、手垢の付いた常識ばかりで客観たる事実は2くらいだ。
2を除けばいずれも、その昔形成された、為にする話題の匂いが強い。そこで各設問に対するカウンター・パンチを繰出してみたい。
と威勢は結構だが、のっけから本音を吐露すれば、当方の足下はいささかふらついている不安もある。果たして首尾は如何?
その前にもう一度バリ島の抑えをする。インドネシアに占める地理上の座標軸は既に触れたから、本稿では別の切出を試みる。
島そのものの大きさは、5,623㎢ 島の人口は約300万人。広さは四国の愛媛県とほぼ同じ。愛媛・徳島・高地3県合計とほぼ同数<国勢調査2010>の人が住む。そんな掴みである。
それにもう一つ補足がある。
島の形を地図<末尾に掲げる>で見たら、ヒヨコを連想させる。本物でなくデフォルメされたお菓子のひよこだ。
ジャワ島の方=西に首を向け、オーストラリアの方=南に向けた足をチョコンと揃えて可愛い。
足の後ろにはおまけとばかりにウンコも落ちている。ウンコとは、中くらいの島=プニダと2つのギリ(小島)のこと。
蛇足だが、真上=北の方=に当り前のように、ウンコの出口がある。その名はパダンバイ。ロンボク海峡に面した港町、ロンボク島とを繋ぐ定期フェリーが接岸する。
ところで先稿で印象を述べたKutaは、腹の下の方。ほぼ足の付け根付近に当る。
地球儀を見て、サーフィンに好適の地理条件と納得した。クタを含むヒヨコの腹は、結構長く続く海岸だ、渚の正面方向は概ね南東。
南東の先はインド洋だが、南にオーストラリア大陸があるので、南極と向かいあう幅は狭い。狭い幅の遙か向こうに南極大陸があり、乾期には南極大陸原発の強い波が、オーストラリア大陸の西の鼻=ノースウエスト岬をかろうじてかわし、ダイレクトにクタビーチに達する。
序でにクタビーチの反対側=ヒヨコの背中サイドにも触れる。
地元の人がトゥランベンビーチと呼ぶ結構長そうな海岸線だが、現地に立ってない。
クタがインド洋に沈むサンセットで知られる高名なサーフィン・ビーチに対し、こちらは対照的に太平洋側で、サンライズ側、雨期は風上に当るが、サーフィン・ビーチとしての未来は未知数のようだ。渚が北西向きで,前面はバリ海・フロレス海・バンダ海。いずれも多島海で太平洋原発の柔波をダイレクトに受ける状況はなさそうだ、漁業向きかもしれない。
今日から始まったアンチ?Bali・キャンペーンは明日に続きます

バリ島の略地図