バリ&ギリ南洋見聞記No.8

前稿でバリ島は地上の楽園であると書いた。古びた決まり文句なので少し鼻につくが、一概に否定しがたい。
筆者なりの楽園とする背景をキィー・ワードにして羅列してみた。
〔バリ楽園説の論拠〕
1、常夏は、食・衣・住がほぼ無料or低コストだ
2、基幹食糧であるコメは年2〜3回収穫できる
3、ヒトは移動せず、モノも移さない自然経済だ
4、カネに頼らない本源的経済への回帰が容易だ
5、体験型自己学習の自立型ライフスタイル
とまあ、5つ挙げたが、使う用語に公知のものが少なく、説得の力の乏しさは已むをえない。
銀行員を38年間も一応だが実直に勤めた体験と、定年退職後に自家消費専門農業を始めた体験とから導いた結論だが、先進認識・大国志向・教育一辺倒高学歴・成功社会・白人願望に要約されるワン・ウェイ価値観の確信型列島文化人からは、全面否定されギャフンと沈没するに違いない。
その全否定に反撃する材料キィー・ワードくらいは、掲げておこう。あえなくロンボク海峡の海底に沈没するとしてもだ。
〔楽園論全否定に備える反撃キィー・ワード〕
a、国民総幸福(G.N.Happiness)指標の採用
b、国民総生産(G.N.Product)思想の廃棄
c、金融資本による無制限な越境活動を規制する
d、自由貿易と経済要素の過剰移動に障壁を築く
e、イノヴェーション指向経済の限界を直視する
と、これも5つ準備してみた。
ここで筆者が言わんとする事は、日本に再出発を促したい。その場合バリから学ぶ事が多々あるぞ。の2点である、、、、
日本は自らを先進と強く信じているが、原子力発電なる未知の技術に深入りし過ぎ、そして本来の正道を大きく踏み外し、今では最劣後グループを彷徨い始めている。
他方、世界は、アラブの春、USAのデモ多発、EU金融危機、と流血暴動・改革要求の示威行動など課題が山積している。
おそらく地球規模で、今行われているパラダイム<主導的社会理念なり基本的行動標準のこと>の陳腐化と制度疲労がいよいよ露呈し始め、根本から見直し・組替えするべき時期に来ているのではないだろうか?
新しいパラダイムの形は,未だよく見通せないが、既存の分析解明型科学<カルテシズム>から脱却し。生態学など学際的知見を体系的に総合包摂した新しい科学体系とヴィジョンの構築が望まれる。
その点中進型社会であるバリ島は、原点回帰が容易であり、既成知見の横断的組替・再評価になじみやすく、自然経済に富む国情などから再出発しやすい有利な環境である。
果たして皆さんの賛同が得られたでしょうかな?
今日はこれまでとします