バリ&ギリ南洋見聞記No.2

昨日の初稿で、「カニ族」に対し「エビ族」とした。今日になりいささか軽率であった事に気がついた。カニは海中を離れて地上を歩くが、エビは海を離れては生きられない。
因みにカニ族の由来だが、1960〜70年代に出現した旅装風俗だ。知らない人の方が多いと思うので触れておく。
横に長いリュックが改札口や列車内通路を通る時に邪魔で、ヨコを向いて歩くからだ。
戦後復興経済からの脱却を果した時代相を冷静に眺めていた若者は遠出し始めた。
若者の大型リュックはハッタリ感覚のショウであったかもしれない?本格登山や北海道旅行に憧れる特別な立場を演じてみせる、それもまた若さの発露であった。そんな時代だった。
さて、バリ島だが。
観光地としてのデビュウがまた同じ1960年代からであった。離島の観光は、商業航空輸送とともに始まった。
これは世界の観光地に共通する事だが、人口重心たる大陸から遠い離島リゾートにこそ航空機移動の意味は大きい。
それ以前の離島は、リタイア族のためのパラダイスであった。
時間の縛りから解き放たれた退職者夫妻だけに、船便は開かれていた。
現世の楽園=南洋の島は、昔も今も変わらずあり続けるが、船便でしか行く方法が無い時代が長かった。
豪華客船など船の旅はいつの時代も廃れないが、飛行機ほどの到達時間の短縮はなく、現役世代にはとうてい無縁の手段である。
航空輸送が切開いた離島の観光だが、あれから約50年経過して第2期ブームが到来している。
格安航空券の時代である。
アジア人のためのバリ島、それは既に過去のタイトルでしかない。今や地球人のためのバリ島なのである。
かつての欧州人の夏休みは地中海であった。
パリを離れてプロヴァンスに長期滞在、北欧の金持ち家族は日焼けをしたくて陸路でコート・ダジュールへが定番であった。
EU成立で国境が消えた今日、過去の常識もまた消えた。
インタネットで格安航空券をゲットして、インド洋の彼方へと飛び渡る。そんな第2期航空輸送時代が到来していた。
今日はこれまでとします