バリ&ギリ南洋見聞記No.3

バリ島の観光は、順調に推移しているらしい。
前稿でヨーロッパからの観光客が増えているとの聞き耳トピックスを伝えたが、出発地別シェアを概観すれば,全行程1〜2泊圏内、近場からの入込み観光者がランキングの上位を占める。
オーストラリア・マレーシアを始めとする隣国からの観光者だ。
近場からの旅行者となれば、日本の場合国内旅行者がまず浮ぶ。それをインドネシアに及ぼす事は、いささか無理がある。
風俗・習慣・言語・宗教の違い。所謂多様性が齎らす相互の壁が立ちはだかる。インドネシアとは、”島のインド”と言う意味だそうだが、インドに負けないくらい広大かつバラバラなのだ。
遠くの親戚を訪ねるような気楽さはなさそうだ。公共交通サービスは全く未整備である。
遠い将来はさておき当分の間、気楽に移動するコンセンサスは皆無の国柄であるようだ。但し、これはバリ島の現状であると限定しておこう。
すぐ隣の島であるジャワ島の現状は、もっと日本に近く、国内旅行時代に移行しているようだ。
ジャワ島は最短距離3kmと言われるバリ海峡を挟む対岸の島=西隣の島だ。2つの島はこれだけ近接しながら相当の年時隔差=時代ギャップと呼べるほどの開きがあるようだ。
ジャワ島は,首都ジャカルタを含む大きな島、インドネシアの地理的・歴史的・政治的な中心だ。ジャワとそれ以外の地方との間には,大きな時代隔差がある。それほどインドネシアのスケールは大きい。東西4.800km=アメリカ大陸の幅だ。
この辺で老児の趣味を抑えておこう。
バリ島の時間・空間的な座標軸を羅列する。
南緯8度、東経115度。その交点がバリ島内にある。日本<JMT>との時差はマイナス1時間。
九州の唐津諫早からは南中時差マイナス1時間の位置に当る。
赤道と南回帰線との間に位置する、常夏の熱帯。
熱帯は果物が豊富<写真を添えた>。だから生きるのが楽。
歴史軸は、かつてオランダの植民地であった。この一言に尽きる。
収奪と略取の爪痕は、独立から60年少し経過した現代でも消えていない。辺地ほど名ばかりの独立と言えよう。
徳川幕藩期の海禁<鎖国ともいう>制下、欧州では唯一オランダが交易を許された。対日貿易における現実の発源地は、バタヴィア<=今のインドネシア>であった。
以上をもって時空座標は終り。要するに東南アジアの中でもインドネシアと日本とは縁が深い。
ではインドネシアとは何か?オランダの統治版図をそのまま引継いで共和国になっただけ。1つの纏まりを持った地域結合体としての実質は乏しい。多様性とは美辞麗句のうちかもしれない?
常にこのことを踏まえておく必要がある。
今日はこれまでとします


そこにあるトロピカル・フルーツ 2種