サイト君 第72話

サイト君が語る、居住スタイルと生産様式の第3日。
政治と経済が過度に密着した社会は、放漫財政と財政破綻の課題を抱え込み、いずこも迷路に陥いっている。21世紀に入り世界各国が崩壊しつつある。それをメディアは何故かジャパナイゼーションと呼ぶ。
直前の20世紀もまた2度の大戦など全世界が隈無く戦場化した悲惨な100年であった。
では、未来はどうか?
この250年の経済体制である産業社会システムは、人口爆増と欲望の節制を欠いた仕組でしかなく、その延長上にある未来の世界、それは人類にもそして生命を浮かべる舟としての地球にも暗い未来でしかない。
量的拡大と効率追求に向い挙げて殺到する行動パターンは、科学統理による合理性に反する。
定住を維持しつつ長距離を高速移動する輸送革命がそれで、輸送革命とは都市集住と公共交通、新幹線・エアラインでの遠距離通勤、貿易自由化などを言う。
定住とヒト・モノの長距離・高速・大量の移動との間には、矛盾がありいずれ破綻する宿命を孕む。
薄々ではあるが矛盾と知りつつ大勢の流れに乗り、速やかに忘れて競争原理に奔走する、それもまた人の属性である。
サイト君は言った。定住は理想であると・・・・
この定住とは終身的定住の事。その理想は、自らは動かずに人を動かしモノを運ばせる。無理と無駄が内在する歪んだ理想だ。
定住者の住いに、展示目的の資産つまり本来不要であるゴミが累積する。
メゲーヌはフクシマの廃用原発を捨てられるか?
この問いに、果たして解はあるだろうか?
今日をもってこのテーマを終りとします