サイト君 第45話

経済金儲け論は、欧州世界の最深部にある個人と自由の関係に行き着く考えであろう。個人の自立と自由は両立しにくい課題でもあるが、産業革命の勃興期に既成の権力層に訴える未来学として経済学は誕生した観があった。
理想の未来を示す「レッセ・フェール レッセ・パッセ」を合い言葉に市場経済を興し、伸ばそうと考えた草創期の経済学者達がそこに居た。この合い言葉は、18世紀に生まれたフランス語で、その意味は『為すに任せよ 行くにまかせよ』であって、自由放任主義のスローガンと解されている。
ここの自由放任は字面から類推してはならない、当時の社会条件を踏まえた歴史的意義を汲むべきである。貴族や僧侶など特権階級が豪奢に暮らし、その他の大多数はがんじがらめに束縛され、生き延びるだけの惨めな生き方しか出来なかった頃だ。自由放任は絵空ごと=妄想と解した方が的確である。
自由放任を求める理想主義者達の多くは、自らを旧大陸からドロップ・アウトさせた。命懸けで海を渡り新大陸へと逃れた。そのような生き方を最初にやってのけたのがコロンブスである。”コロンブスの卵”とは、ある意味荒唐無稽と同義であるが、彼の中に内在する暴力肯定は隠しようがない。
自己の個人的利益を貫くために他者の生存を奪っても当為平然とする考えだが、サイト君は全面否定した。
近頃テロリストの名の下にビン・ラディンをストレートに死亡させたUSAのやり方に、コロンブスの残像を彼は見るのだと言う。
経済金儲け論に抗して、サンク国が採った処方箋は?
明日紹介します