サイト君 第39話

メゲーヌの子ども達が、子供らしさを欠いている。とサンク国からの外来者・長期滞在45年のサイト君が不安を漏らした。子供をテーマに語る彼の杞憂は、第4日目の今日で終わります。
子どもの眼の輝きが失われた背景については、さまざま考えられる。そう、子供は大人の鏡でもある。
親世代の日頃の生き方に未来が乏しいか、生活態度に夢が欠けていれば、子供達の眼に映り伝染する。と彼は言う。
眼の前の事、経済対価として直ちに実現することのみにきゅうきゅうとした生き方、それ以外の価値感を軽視したり、大きなもの不確実なものへ挑戦しようとしない大人達が、子ども達の芽を潰し眼の輝きを失わせていることに気がつくべきであると、、、、
かつて海上交易で繁栄を築いた国=古代カルタゴは、地中海を挟んでローマの対岸にあり、海域主導権を廻って両国の対立は長く続いた。カルタゴには、ハンニバルの大遠征など戦術的勝利もあったが、最後に敗北し古代ローマによって徹底的に破壊され消えた。
敗因を簡略に述べる、自らの本質を忘れたことにある。海のカルタゴが、護るべきは制海権であって、ハンニバルが活躍した陸戦は二の次であった、肝腎の海軍力は、多くを傭兵に依存していた。
自らの国の護りは、外国の番犬に任せず、自らの同胞・人材をもって充てる。その気概が独立自存の大前提であって、政治・社会・経済の3軸のバランスある健全なコミュニティー存立と直結している。とサイト君は言うのだった。
以上がサイト君のメゲーヌ宛の提言である