サイト君 第37話

昨日は130年前のメゲーヌの子供達に好奇心溢れる眼の光があったことを述べましたが、現在それが失われたとサイト君は憂いています。
子供は未来の象徴です。現在の暮らしを維持することのみにきゅうきゅうとしている時は、未来の設計に気が廻らないもの。
敗戦の悲惨な状態から復興する生き方、あまりにも経済のみを意識し囚われ過ぎ偏る時代が長過ぎた。見直しの時期を過ぎて価値モードを変えず、過去に訣別して新しいモードへの切替を怠り、既に65年が過ぎた。
後継世代へのヘゲモニー移譲があらゆる分野で未完である、それがメゲーヌの現在であり、近未来である。とサイト君は言う。
家族が社会の基本単位とする考えで、あまりに狭く自己の関心や活動の範囲を設定したことから、血縁による核家族を理想の姿と深く想い込み囚われ過ぎる歪みを招いた。
家族単位を越えないギスギスした窮屈な社会=人として共通の感情を互いに示しにくい世の中を結果として作ってしまった。
経済のみが強く依存され政治や社会の役割が著しく後退させられた価値観ゾーンでは、助け合いの観念は色褪せがちなもの。
政治・経済・社会の3つの軸が、バランス良く等位置に置かれないと子供のような弱者は生きにくいのだ。
今日はこれまでとします