サイト君 第13話

20世紀は戦争の時代とも呼ばれる。はっきり言えば大戦だが、その2回目の終り頃に「パンドラの箱」を造り出し開けてしまった。開けた場所がヒロシマナガサキの上空であった。人類が地上に展開した人造太陽の爆裂であった。
この度のフクシマの漏れ出しは、その原子核分裂反応をゆっくり進めるタイプだが、出てくる副産物は瞬発型もゆっくり型も同じで、ともに生命体を脅かす存在だ。
さて、文明と文化を対比して先稿で述べたが、この約250年間の著しい社会変化は、文明のみが備えるパラダイム(=より早く進める,他者に隠すであった)から派生した。ここでもう1つ、「大きな物語」の仕組にわざわざ仕立て上げるを新たなパラダイムとして追加したい。
この3つは、経済活動では意味があった。
経済活動家の狙いは、他者を排除し他者との競争を規模の差で有利にして、儲けることにある。
所謂、市場原理パラダイム・徹底した個人利得の追求である。
その始まりの例をいくつか紹介しよう、
機械を据えた工場を作る・機械とともに働らく者を雇い上げる・労働者の通勤・より迅速かつ大量の輸送システムである鉄道の発明と、、、
互いが同時並行的に、ドミノ式に、そして競争しつつ、猛烈に進んだのであった。
始めはワット*の蒸気機関で知られる自然科学フィールドのイノヴェイションであったが、20世紀には大戦から原子力発電までと、社会科学フィールドにおいて「化け物」と化した。
人類は悪魔のパンドラ・パラダイムからそろそろ脱皮すべきである、とサイト君は呟いた。
*注 J.Watt(1736〜1819)。蒸気機関の改良に貢献した技師、発明家。初期の鉄道は蒸気機関車によって引っ張られた
今日はこれまでとします