サイト君 第4話

サイト君は時々妙な夢物語をするが、今日はその一端を紹介しよう。
”サンク”は、隣のメゲーヌ国を他山の石として地域の政治・経済・社会機構を運営しているらしいのだ。
職業選択の自由は、一律45歳を過ぎるまで認められないのだと言う。随分乱暴な人権無視な社会規範であり、個人の自由に対する著しい侵害ではないか?と批判したら、サイト君はニヤリと笑って「そうだね、だから大勢がメゲーヌ国に出稼ぎに来るんだよ」と実に平然としている。
でも、18歳や22歳の若さで一度きり一生の職業を選ばされるのも酷なんじゃないかナァ?
万一労働市場が開放的で、転職した者としない者との間に収入や待遇面で隔差がないならば、人権も自由も文字どおり保障されていると言えるけどねぇ、、、、
その点、コトバと現実がずれたまんまで、何十年も改まらないとしたら、名目だけ建前だけの人権・自由だ。
一度きり一生の自由選択じゃ、中身が乏しい空洞的タコツボ社会と呼ぶべきで、実態において二度目がないのなら、寂しいよね。
公務員などその名に反して誤れるエリートそのもので、自らを労働者の範疇に含めようとしない思い上がり者の集団だとか。
その点”サンク”では、あらゆる職業が短期任期の公募制であり、応募者に対する簡易な選抜チェックが行われるが、その合格就任者が任期経過後に再応募しても、再任適用は最も劣後扱いにされる。
だから、人気の高い仕事ほど入替えが激しい。
そうするメリットは、多くの人が多数の仕事を体験して自分の職業適性を知り、そのことを多くの周囲の者と互いに共有することになり、社会構成員相互の関係がオープンになることかな、、、
半永続的な雇用と専業分業による属人化・集団化・固定化などデマケの横行*は、視野の狭い若者と偏った意識しか持たない老人をただ増やすだけだ。
ねじれ国会など、その現象化だ。
対立とストレスが蔓延する末期的社会現象だ。学歴主義による優勝劣敗と言うのも、つまり弱肉強食の一形態なのだ。
生物多様性とは、強い者も弱い者も等しく機会を与えるだけでなく、ごく短期間でもチャレンジさせ体験させることにあるのでしょうなぁ

と言いながら、サイト君はニコリともしなかった。
*注1=demarcation英米語。縄張り、セクショナリズム、玄人が素人を排除すること、
なお、アンチ・デマケとは、資格制度は、複雑・複層にして一般納税者の負担を徒らに加重する弱肉強食だから、これこそ「事業仕分け」の本来的対象業務となすべきとする提案を言う。
今日はこれまでとします